内容説明
『はだしのゲン』『アンネの日記』をめぐる問題を繰り返さないために―。子どもの学びを支え、創造性と自主性を培い、批判的精神を形成する学校図書館。その教育的意義や歴史的経緯を再確認し、外部の力学からの独立を訴え、特定の図書の閉架や「焚書」の検証を通して、子どもの成長に不可欠な対話力を備えた学校図書館のあり方を提言する。
目次
第1章 『はだしのゲン』の提供制限問題
第2章 学校図書館の「自主性・自立性」
第3章 「自ら考え自ら判断」する態度を養う―「皇国民」教育、「自発的学習」、そして学校図書館への期待
第4章 教育の多様性、そして学校図書館
第5章 学校図書館の力、子どもを変える力―「教育課程の展開」「健全な教養」と結び付け
第6章 「ファースト・アメンドメントは、ぼくのものになった」
第7章 検閲は「生徒の知的、精神的成長を妨げる」―『学校図書館の検閲と選択』に学ぶ
第8章 「書物を焼くものは、早晩、人間を焼くようになる」
著者等紹介
渡邊重夫[ワタナベシゲオ]
1943年、北海道生まれ。北海道学芸大学(現・北海道教育大学)札幌分校卒業。日本図書館学会賞受賞(1990年)。藤女子大学教授を経て、北海道教育大学、北海学園大学などで非常勤講師、日本図書館情報学会会員、日本図書館研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomite
2
学校図書館の目的を『はだしのゲン』『アンネの日記』をめぐる問題を解説することにより、説得力あるものにしている。大変読みやすい。学校図書館に関わる人にはぜひ読んでもらいたいと思った。読んで良かった。2016/12/30
かおりん
1
最近のニュースに疎いので、『はだしのゲン』問題も『アンネの日記』問題もよく知らなかったのだがこの本は今年の6月に出ていてこの二つの問題も最近一年以内のこと。図書館大好き人間の私としては、学校図書館のあり方について考察している本書はとても面白かった。前掲(『少年文学全集 5月35日』)のケストナーも話にでてきた。ケストナーの人生に思いを馳せながら彼の著作である児童文学に今一度触れたいと思う。2014/12/06
あ
0
はだしのげん問題とは。学校図書館のあるべき姿について。2014/08/08