出版社内容情報
帝国の長期にわたる維持には,たやすく手に入る性的機会が不可欠であった。支配者と被支配者の性的な関係,日本人女性を主役とする「からゆき」の問題,エリート官僚の性生活など,植民地統治とセックスの抜き差し難い関係に迫る。
第1章 導入―課題と方法
第2章 性的必要
第3章 出発地としてのイギリス社会
第4章 帝国と性的な機会
第5章 ラージの下での性生活
第6章 売春と社会浄化
第7章 貞操と植民地高等文官制度
第8章 宣教師たちが生じさせた対立
第9章 結論―人種、性、そして帝国
内容説明
帝国の維持には、性的機会の供給システムが不可欠であった。イギリス帝国におけるセックス、人種主義イデオロギーを分析、「従軍慰安婦問題」論争にも新鮮な一石を投じる。
目次
第1章 導入―課題と方法
第2章 性的必要
第3章 出発地としてのイギリス社会
第4章 帝国と性的な機会
第5章 ラージの下での性生活
第6章 売春と社会浄化
第7章 貞操と植民地高等文官制度
第8章 宣教師たちが生じさせた対立
第9章 結論―人種、性、そして帝国
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
xxx
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近代イギリスではセクシャリティが抑圧された一方、それに関する言説が氾濫した。特に海外植民地では国内で規制された買売春が横行しており、男性たちの「逃げ場」になっていた。彼らがキャリアを積む上で重要視されたのは禁欲・節制である。そのため性的スキャンダルはすべてを破滅させる危険性があった(しばしば自殺という結果に)彼らは「表の顔」と「裏の顔」を使い分け、特に海外植民地で女性や少年と性的交渉を楽しんだ。面白い点は著者はフェミニズムと離れて考察していることである。著者はあくまで歴史学的な視点を重視しているのである。2019/06/28