内容説明
仏教の原典を求めて、あるいは僧院での修学に、そして国の密命をおびてチベットへ。10人が実践した「旅」はきわめて稀な「知の体験」であった。彼らの旅を、新発見の資料と現地を含めた取材で探った異色のドキュメンタリー。
目次
第11章 “世界無銭旅行家”矢島保治郎の入蔵
第12章 ダライ・ラマ十三世と日本人―寺本婉雅の工作と西本願寺
第13章 矢島の清蔵戦争目撃と青木文教のラサ入り
第14章 矢島、西蔵軍養成教官就任と「ノブラー」との結婚
第15章 “幻”の新年会―矢島、青木、多田、河口、四人のラサ
第16章 「大正の玉手箱事件」―大蔵経をめぐる青木と河口の対決
第17章 多田等観、はだしのチベット入り
第18章 セラ寺の十年―多田のチベット仏教修行
第19章 野元甚蔵のチベット入り―ダライ・ラマ十四世の選考
第20章 野元の見たチベットの農村―四十年後、十四世と鹿児島での対面