感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星規夫
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思想弾圧っておっかねぇ! 大学者といってもただの人間であることに変わりない。暴力や社会的地位の喪失を恐れる人、抑圧の中で新しい文化の形を作り出そうとする人、思想を捨て去る人、死ぬまで抵抗し続ける人……この人たちがどんな気持ちで戦時下の日本を生きていたのか、もっと勉強してみたくなった。2011/10/13
k_samukawa
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島木健作の『生活の探求』に関する部分などなかなか面白かったのだが、日本史リブレットの紙幅に合わせたために概説的になって読み辛くなった部分があると思う。もう少し時期を絞るべきだったのではないかな、と思ってみたり。しかし、入り口としては悪くない本でした。僕は逆でしたが、これを読んでから高見順の日記なんか読めばより面白いと思う。2011/06/03
星辺気楽
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再読。3年前に読んでいたが、現状はどんどん戦前に向かっている。共謀罪が成立したら、あの悪名高き「治安維持法」の再来で、犯罪を犯さなくても、そのような考えを発表するだけで捕まってしまう。絶対、このような時代にはしたくない。2017/01/23
星辺気楽
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今では、とても著名な作家たちも拘束されたりして弾圧の対象になっていたことは、現代の日本人に伝えていく必要がある。心身ともに生きる権利を奪っていくのが戦時下であることがよく分かる。2013/12/29
ハンギ
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昭和研究会や人民戦線運動など知らなかった運動の概説的な部分を解説してくれてよかったです。今の日本ではあまり知らなくてもいい知識ですけど、命がけで戦争やファシズムと闘っていた日本人がいた、という事実は知っておいて損はない。歌人の斎藤茂吉が日米開戦に熱狂し、丸山真男の師匠の南原繁は愕然としたように、知識人と大きくくくってしまうと、本質は見えづらいかもしれない。各人各様、思っていた事も様々だろう。中野重治のちくりと時評するような本もそこそこ読まれていたらしく、戦中でも人間の生活はあったんだなあと思いました。2012/03/26