内容説明
二十世紀は戦争の世紀である。第一次世界大戦は、近代がつくりだしてきた楽観的な未来像を打ち砕いた。大戦終結後わずか十年の休止期をへて、世界はふたたび戦火を目にし、それは第二次世界大戦へといたった。現在も世界のどこかで戦火は続いている。両大戦がつくりかえた世界、二十世紀の形成者としての両大戦の意味を、世紀終わりの視点から振り返る。
目次
1 1914年のヨーロッパ
2 第一次世界大戦の推移
3 総力戦と社会
4 両大戦間期の世界
5 第二次世界大戦の推移
6 第二次世界大戦の複合的構造
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
venturingbeyond
24
期末考査を前に、歴史総合での出題担当単元の確認のため読了。第一次世界大戦の特質と大戦がもたらした各国の社会や国際秩序の変容をコンパクトにまとめてあり、今回の問題作成上、参考になるところ大であった。勿論、100ページ弱の小著ゆえ、各論の詳細な考察は、巻末の参考文献に進んでということになるので、あくまでも大きなパースペクティヴを確認する著作ということで。2022/06/26
不羈
16
歴史を考察する際、可能な限り現在の価値観を排除し、当時の価値観を把握し、判断すること。その前提の上で帝国主義、植民地搾取やナチズム/ファシズムの功罪について理解が深まったものの、新たな謎⇒ソ連の功罪は?ナチスドイツとポーランドを侵略した点、その他もろもろ、英仏のミュンヒェン会議の対応。パレスティナ問題の数々。どんどんQuestionが沸き起こる。知ることは新たな疑問への始まり。2013/08/12
S.Mori
4
第一次大戦と第二次世界大戦について新しい視点を提供する本。学術的な本なので面白いとは言えない。それでも私のような歴史好きには興味深く読める本だった。これまで戦争は軍部の暴走によって起こったと思っていた。この本を読むとそれが誤りであることが分かる。戦時の挙国一致体制として、ヨーロッパでは労働組合も軍に協力したそうだ。それから一般の人も偏狭なナショナリズムにより、戦争に積極的になった。平和を存続させるためには、私たち一人一人の心構えが大切なことが分かる本だった。2019/05/06
ベル
4
【ナチス③】山川のリブレットシリーズ。薄い本ですが、脚注まで読むとかなり濃い内容。入門書だと思って手を出すのは控えたほうがよさそうです。◆本書は、WW1とWW2をひと続きの戦争(「三十年戦争」)と捉える立場から、開戦への過程、戦争の構造、それらによる政治、社会、人々の考え方の変化などを、各大戦について論じるものです。◆WW2開戦までの知識が欲しかったので、個人的には本書で満足できました。が、おそらく、WW2以降の内容には不満なひともいると思います。やや駆け足ですし、事実誤認も見られます。竜頭蛇尾かな。2016/01/06
中島直人
3
(図書館)再読。2023/05/01