• ポイントキャンペーン

バレンボイム/サイード 音楽と社会

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 259p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622070948
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C1036

内容説明

ユダヤ人バレンボイムとパレスチナ人サイード。つねに境界をまたいで移動しつづけてきた二人が、音楽と文学と社会を語り尽した6回に及ぶ白熱のセッション。

目次

自分にとっての本拠地とは
ワイマール・ワークショップで西と東が出会う
解釈者は「他者」の自我を追求する
アイデンティティの衝突はグローバリズムと分断への対抗である
フルトヴェングラーとの出会い
リハーサルの目的
パフォーマンスの一回性
サウンドの一過性
楽譜やテクストは作品そのものではない
サウンドの現象学〔ほか〕

著者等紹介

バレンボイム,ダニエル[バレンボイム,ダニエル][Barenboim,Daniel]
1942年ロシア系ユダヤ人の移民の子としてブエノスアイレスに生まれる。1952年にイスラエルに移住。1957年にピアニストとしてデビュー、1962年から指揮者としての活動をはじめ、1975年にパリ管弦楽団の音楽監督に就任(89年まで)、1981年以降はバイロイト音楽祭の指揮者としてほぼ毎年参加、1991年にシカゴ交響楽団の音楽監督、92年にはベルリン国立歌劇場音楽総監督に就任。世界を代表するピアニスト・指揮者である

サイード,エドワード・W.[サイード,エドワードW.][Said,Edward W.]
1935年イギリス委任統治下のエルサレムに生まれる。カイロのヴィクトリア・カレッジ等で教育を受けたあと合衆国に渡り、プリンストン大学卒業、ハーヴァード大学で学位を取得。コロンビア大学英文学・比較文学教授。2003年9月没

グゼリミアン,アラ[グゼリミアン,アラ][Guzelimian,Ara]
1998年9月からカーネギーホールのシニア・ディレクター、芸術顧問。アスペン音楽祭とロサンゼルス・フィルハーモニーの音楽監督もつとめた。有名なカーネギーホール・トークのホストとして、名だたる音楽家たちとの対話を重ねている

中野真紀子[ナカノマキコ]
翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マエダ

39
音楽、政治、文化がユニークな総体を形成する。バレンボイムとサイードの二人の対談集。2023/07/24

松本直哉

24
「ホーム」をめぐる対話で、ここは私のいるべき場所ではないという異郷感を常に持っていたというサイード。一方バレンボイムは、ソナタ形式の主調をホームに喩えて、そこからの転調、新しい主題と展開、ホームへの帰還の中で、自分のアイデンティティをひとたび勇気をもって手放すことについて語る。調性音楽の時代が終った今、我々は皆ホームレスであり、シェーンベルクは難民音楽だという。いま調性音楽を聴くことは、失われた故郷へのノスタルジアでしかなく、無調の音楽に耳をふさいでしまうのは、故郷がないことに耐えられないからかもしれない2020/08/24

風に吹かれて

19
 ロシア系ユダヤ人の移民の子としてアルゼンチンに生を受けたピアニスト・指揮者・音楽監督のバレンボイム(1942-)とイギリス統治下のエルサレムに生まれた英文学・比較文学者サイード(1935-2003)の対話集。音楽を語ることで世界の成り立ちまで語る刺激的な議論にあふれている。  ベートーヴェンやワーグナーのサウンド構築の深まりや楽譜に書かれたクレッシェンドをどう実際の音にしていくか(楽譜の縦方向に並ぶ楽器を同時にクレッシェンドしたら単なる音の塊になってしまう)、社会の変化と無調性音楽の誕生など、 →2024/02/16

ジュン

8
故国の重要さとくだらなさを知る2人。言葉を喋る事はできるが、それを母国語とは言い切れない事。その座標から考えることは観察者として特権に近く、また拷問に等しい。サイードは言う。"There's a lot of sentimentality about “homelands” that I don’t really care for. And wondering around is really what I like to do most." 故国という感傷に縛られるよりも、2人は世界を散策する事を選ぶ。2021/06/08

風に吹かれて

5
ユダヤ系ロシア人のバレンボイムとエルサレムで生を受けたサイードの対話集。反ユダヤ主義者ワーグナーを巡る話に興味をそそられた。ピアニストであり指揮者であるバレンボイムのサウンドに関する考えと、音楽・哲学・文学などを社会との関わりから多元的に捉えようとするサイードの、相似し相反する言葉のやりとり。国境を越え、社会の枠を超え、世界の人々の共生がどうすれば可能か、というような課題にもつながる議論を展開する。ベートーヴェンに関する話も面白かった。これまでよりもクラシックを聴く楽しみが増したようにも思える。2015/08/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8614
  • ご注意事項