lettres
冗談

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  • サイズ B6判/ページ数 380p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048671
  • NDC分類 989.53
  • Cコード C0097

出版社内容情報

「トロツキー万歳」この一言の冗談から始まる悲喜劇。20世紀文学の最高傑作をlettres版でおくる。

1967年にチェコで刊行されたクンデラの op. 1 『冗談』は、たちまち世界各国で翻訳され、アラゴンは「今世紀最大の小説の一つ」と讃えた。「今世紀の傑作は社会主義の地から出る」というサルトルの予言は、クンデラによって実現されたのである。おのれの魂という怪物とのみ戦えばよかった時代、ジョイスとプルーストの時代は過ぎ去った。現在の小説家が戦うのは、〈歴史〉という外部からやってくる怪物である。20世紀文学の傑作『冗談』は、こうして誕生したのである。

Milan Kundera(ミラン・クンデラ)
1929年、チェコスロヴァキアのブルノに生まれる。52年、プラハの音楽芸術大学映画学部卒業、同大学で文学を講義。75年、フランスのレンヌ大学客員教授。79年、チェコ市民権を剥奪される。81年、フランスの市民権を獲得。現在もフランスで作家活動を続ける。著書『微笑を誘う愛の物語』(集英社)、『生は彼方に』(早川書房)、『別れのワルツ』『笑いと忘却の書』『存在の耐えられない軽さ』(以上、集英社)、『小説の精神』(法政大学出版局)、『不滅』『緩やかさ』(以上、集英社)、『ジャックとその主人』(みすず書房)、『ほんとうの私』『無知』(以上、集英社)ほか。

訳者:
関根日出男(せきね・ひでお)
1929年長野県に生まれる。訳書 ブリアン『ドヴォルジャークの生涯』(新時代社)、ヴェーニグ『プラハ音楽散歩』(晶文社)、サイフェルト『この世の美しきものすべて』(恒文社)。

中村猛(なかむら・たけし)
1933年神奈川県に生まれる。

著者等紹介

クンデラ,ミラン[クンデラ,ミラン][Kundera,Milan]
1929年、チェコスロヴァキアのブルノに生まれる。52年、プラハの音楽芸術大学映画学部卒業、同大学で文学を講義。75年、フランスのレンヌ大学客員教授。79年、チェコ市民権を剥奪される。81年、フランスの市民権を獲得。現在もフランスで作家活動を続ける

関根日出男[セキネヒデオ]
1929年長野県に生れる

中村猛[ナカムラタケシ]
1933年神奈川県に生れる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

42
クンデラの作品とは、疲れた時にふと見せる穏やかな微笑のようなものではないだろうか。それは人間の業や時代といったものに振り回されながら、それでも人間であることの尊厳や美しさは何ら損なわれるものではないという声明に他ならない。クンデラ最初の長編作品である本作は友人に裏切られ、歴史から見放されたルドヴィークを中心に、存在することへの痛みに満ちた痛切な愛の物語が繰り広げられていく。それは出来過ぎた冗談の様に滑稽であり、笑うに笑えないぎこちない微笑みの様だ。弱さを持ち続けること、そのことをクンデラは静かに肯定する。2014/03/14

ヘラジカ

11
映像学を学んだ作家が優れた「映画的」な作品を作り出すように、音楽を愛し続けたクンデラは完璧な「音楽的」作品を作り出した。彼は物語と同時に一つの輪舞曲を作り上げていたのだ。これ程までに文学の恐ろしさを感じた小説は久しぶり。『夜の果てへの旅』に匹敵するぐらいの衝撃だった。それとここでの感想が酷評気味なのにも衝撃を受けた。うーん、良さが分からない方にはもう一度読んでもらたいなあ。あと何故文庫化しないのかと出版社を問い詰めたい……2013/04/29

ぷるいち

3
「存在の耐えられない軽さ」に匹敵する面白さだった。 一言では形容できるような小説ではないけれど、それでもあえて言うなら、「冗談」というテーマを異なる方式と語り手で「変奏」して描かれている小説とは言えると思う。例えば下記のような。 ・ルドウィークの言い放った文字通りの「冗談」 ・ヤロスラフが取り戻そうとする「王様騎行」と民族音楽の凋落 ・ヘレナの愛 ・ゼマーネク、彼がヘレナを容易に手放すこと ・演奏の終わり、心臓発作 この小説で美しいのは、そうした「冗談」を前にした登場人物のあきらめと疲れた笑いだと思う。2015/01/05

有沢翔治@文芸同人誌配布中

2
『存在の耐えられない軽さ』で有名なミラン・クンデラ。些細な冗談を密告され、出世の道を絶たれた。そういう筋は普遍性があるんでしょうけど、政治的な雰囲気のする小説はやっぱり僕好みでないので、余り頭に入らなかったなぁ。2014/09/23

人工知能

2
ミラン・クンデラの初期の長編。政治的なことなどに翻弄されつつ生きる1人の男を主に描いているが、語り手は何人かにわかれているのが特徴。クンデラ自身は「これはラブストーリーなんだ」と言っているのだが、この中には実に色々なテーマが内包されている。「贖罪(復讐さらには容赦)の課題を代行するのは忘却なのだ。だれ一人としてなされた不正の償いをする者はなく、すべての不正が忘れられてしまうのだ。」2014/06/07

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