遠い場所の記憶 自伝

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  • サイズ A5判/ページ数 351p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622032069
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C1010

出版社内容情報

エドワード・W・サイードは1935年11月1日、パレスチナのエルサレムに生まれた。そして少年時代を過ごしたカイロは、いろんなかたちで西欧文化が入ってきていた。たとえば、音楽…。『オリエンタリズム』『文化と帝国主義』『音楽のエラボレーション』などでもっとも刺激的な思想家サイードが、1991年白血病の診断を受け、病いとたたかいながら執筆したのが本書。現在、エルサレムはイスラエルとされ、パレスチナの土地は奪われたままだ。「失われた、ないしは忘れ去られた世界の記録」を書き綴った、現在と過去、未来を往還する美しいメモワール。数葉の写真、関連年譜を付しておくる。


書評情報:
清水克雄さん/2001年の3冊・朝日新聞2001.12.30
外岡秀俊さん/朝日新聞 2001.4.8
沼野充義さん/日本経済新聞 2001.4.8
池澤夏樹さん/毎日新聞 2001.3.18
中村輝子さん/静岡新聞 2001.3.18

news! サイードの『文化と帝国主義』第2巻がいよいよ刊行となります。7月下旬には完結です。いましばらくお待ちください。

内容説明

「あるべきところから外れ、さ迷いつづけるのがよい」エルサレム、カイロ、レバノン、そして合衆国。遠い記憶に呼びかけながら20世紀の一つの家族と時代をみごとに描く、感動のメモワール。

著者等紹介

サイード,エドワード・W.[Said,Edward W.]
1935年11月1日、イギリス委任統治下のエルサレムに生まれる。カイロのヴィクトリア・カレッジ等で教育をうけたあと合衆国に渡り、プリンストン大学、ハーヴァード大学で学位を取得。現在コロンビア大学英文学・比較文化教授。邦訳されている著書に『オリエンタリズム』(平凡社、1986年)、『イスラム報道』(みすず書房、1986年)、『始まりの現象』(法政大学出版局、1992年)、『知識人とは何か』(平凡社、1995年)、『世界・テキスト・批評家』(法政大学出版局、1995年)、『パレスチナとは何か』(岩波書店、1995年)、『音楽のエラボレーション』(みすず書房、1995年)、『文化と帝国主義』(全2巻、みすず書房、1998年、2001年)などがある

中野真紀子[ナカノマキコ]
翻訳家。訳書にサイード『ペンと剣』(クレイン、1998年)、エリオット・レイトン『大量殺人者の誕生』(人文書院、1995年)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yukiko

7
どこにも自分自身の場所がないと感じている人の自伝。 エジプト育ちの大金持ちの子どもで、生まれた時から米国籍のパレスチナ人。 有名な「オリエンタリズム」を著した学者の自伝。 どこにも居場所を持てなかった人の自伝。 内容は、スケールが大きくて、遠い世界の出来事なのに、なぜか、息子のこと、自分のことにも引き寄せて考えてしまう。 面白い。2019/06/29

もへ子

2
「場所」はたしかに遠く、二度と取り戻すことのできないもの(あるいは人)が、そこにはあ(い)る。しかしその「記憶」は鮮やかで、ひとつひとつの過去描写は生々しい。つらつらと思いつくままに書かれたようなこのメモワールは、しばしば時系列が前後したりなどで読みにくいけれど、だからこそサイードの記憶の辿り方を全身で感じることができる。あるがままに自己を捉えようとした、サイード的アイデンティティポリティクスによって、彼は幸福を見出だした。書くことで救われる、そんなことを教えてくれた1冊。2010/03/13

原玉幸子

1
パレスチナ生まれでカイロや中東育ちのユダヤ人の血を引く米国人の自伝ですが、自己アイデンティティに悩む世代が戦争に巻き込まれるとの、辿った人生は「客観的には」劇的ではあっても、自伝自体は著者の裕福な幼少期の回想が延々と語られているだけで、中東に馴染みのない私には追体験も出来ず、はっきり言って退屈でした(これがまた2段341頁と長い!)。又、女性との恋愛も奥手且つ根暗な思い込みで描かれており(何を語りたかったのか)「うーん」で、背表紙の抜粋文が抒情的で良かっただけに、期待外れ。(●2018年・冬)2020/03/26

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