感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Satoshi
1
あこがれの60年代カルフォルニア。カウンターカルチャーの中心地であり、ラブ&ピースのヒッピー文化が花開いたこの地で青春時代を過ごした著者の回想文とエッセイ。著者は自由な文化のもとでアメリカにいながら仏教学者とフォークシンガーを志す。世の中はより良くなっているはずなのに、現在の方が抑制されているように感じるのは私自身がないものねだりしているだけなのか。映画・卒業を見直そうと思う。2018/08/11
ra0_0in
1
新書という形態には少々似付かわしくない、瑞々しい感性に溢れた美しいエッセイ。60年代という時代が世界をどれほど変容させたのか、それは議論の分かれるところだろうが、少なくとも著者は、20世紀で人類が最も「若かった」あの黄金の時を体験している。ヘイトアシュベリーのヒッピーたちの「嘘くささ」に感づき、禅の修行を通じてスナイダーに出会い、ディランの歌に導かれて帰国する――ウッドストックが自由な音楽の「終わり」を告げたように、あの祝祭の時はあまりにも早く短く、そして常に既に「時代遅れ」なものだったのかもしれない。2013/12/13