平凡社ライブラリー<br> 戦争の罪を問う

平凡社ライブラリー
戦争の罪を問う

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  • サイズ 文庫判/ページ数 232p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582762563
  • NDC分類 234.074
  • Cコード C0322

内容説明

第二次大戦のドイツ敗戦直後、実存哲学の雄ヤスパースが、ドイツ国民は、自らの戦争の罪をいかに問い、裁き、そして償うべきかを、冷静にかつヒューマンに語りかけた哲学的戦争責任論の記念碑的名著。

目次

ドイツにおける精神的状況に関する講義の序説
大学の現状、新たな自由(語り合うということ;われわれ相互間の著しい相違;以下の論述の骨組)
罪の問題(区別の図式;ドイツ人としての問題)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

6
「局外者になってしまうのは嫌だとか、職業を失いたくないとか、商売を傷つけたくない」と感じてユダヤ人を助けもせず生き長らえた以上、「我々が今生きていることが我々の罪」であってこの罪は終わらないと断言する永久謝罪モード。ではあるものの、ヤスパースは戦勝国が敗戦国を牛耳っている現実をはっきり明言し、それでいて加藤典洋が解説するように小林秀雄や江藤淳や津田左右吉や美濃部達吉らが米国に押しつけられた自由に懐疑と反発で応えたのと同じ振る舞いには出ない。対話・愛・清め等リベラル風の題目に現実認識がちゃんとついてくる。2015/08/13

しんすけ

1
無関心も罪になる2013/12/15

lunaluna

1
原書もかなり難解な本なのだと思う。読むのに時間がかかるけど、読む価値あり。同じ敗戦国でも戦争への向き合い方はドイツと日本では全然違う。日本もドイツを見習うべきだと思う。 戦争の罪をどう解釈し、どう受け止め、どう償って行くか、とても丁寧に整理してある。これは戦争だけに言えることではなく、たとえば企業や組織が罪を犯したとき、そこに属する自分はどのようにその罪を受け止めるかも多くの部分で重なってくる。 出来れば逃げてしまいたいような問題と向き合い、人間らしく潔く生きていく道を照らしてくれる良書。2013/02/15

ねぎとろ

1
本論を読むと、戦後から今までに出てきた戦争の罪に対する「言い訳」への批判の原形が、この時点ですでにできていたことが分かる。 加藤の解説は「交わらない丸山と美濃部」といった考えが出てきて面白いが、『民主と愛国』が出た後で読むと、やはり戦後認識に色々と問題を感じる。2011/06/13

しばた

1
「戦争の罪」というのだけどドイツ国内のナチの犯罪も占領地でのそれも同時に論じている。国内の犯罪行為と侵略戦争、占領地での非人道的行為は不可分に行われたと考えられていたからか。しかしこのような、国内のテロリスト的政府から人民を救うのは外からの攻撃によるしかない、という考え方が現在の「人道的介入」の議論に繋がってるのだろうとは思う。是非は兎も角。ニュルンベルグ裁判の評価としては、ソ連が入ってることが問題ということなのか、それともその判事の法解釈が問題だったということなのか、ちょっとわからない。2010/07/05

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