出版社内容情報
時空を超え、今なお各地に残る伝統的な木の文化。日本を代表する12の木々を巡り、研ぎ澄まされた先人たちの感性とその木工芸の技術の素晴らしさを讃え、次代の木の文化を唱えた木の集大成。
内容説明
人と森がもっとも美しく暮らした時代があった。現代から遡る5000年前の縄文時代、高度な工芸技術と自然とが共生する思想が存在した。著者は木の触覚レベルからその事実を確信し、それを「第一次木の文明」と位置づける。そして現代に到る「第二次木の文明」の時代を経て、環境の危機から脱却するべく、縄文の思想に学ぶ新しい森の世紀「第三次木の文明」を提唱する。漆、〓、楢など12種の木をその作品と共にエコロジーの視点から語り、縄文から21世紀に到る木の文明を鮮やかに説く。
目次
漆―日本代表、キング・オブ・エコロジー
〓―北半球の文化・文明の生みの母
栗―「第一次木の文明」へと導く
楠―日本の照葉樹林を代表する
檜―「第二次木の文明」の主役になる
杉―スキっと清楚で飾り気がない
縄文の木の記憶(対談 中沢新一)
木と人が語りあっていた頃(対談 ライアル・ワトソン)
欅―気高く力強い里の木
松―頭がよくて人にもっとも近い
桐―娘の成長と共に育つ
竹―強靱な弾力性で未来へ向かう
楮―パルプに代わるクイーン・オブ・エコロジー
楢―「第三次木の文明」を呼び寄せる木
第三次木の文明へのプロローグ
年表〈木と文明の概念〉