新編 原爆詩集

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新編 原爆詩集

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  • サイズ B6判/ページ数 161p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784250950315
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0095

内容説明

あの閃光が忘れえようか。50年前のヒロシマから詩人が託した核時代への伝言。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

37
峠三吉の『原爆詩集』はこないだ読んだ。この詩集に付けられた鶴見俊輔の解説が読みたくて(こないだ亡くなられたからでもある)、中野重治のそれと共に解説のみ読む。期待した鶴見俊輔の解説よりも、中野重治の解説が案外面白くて意外だった。中野はB29を破る飛行機を、見つからぬ様に作る為の穴掘り作業に駆り立てられた際に、新聞屋さんがもって来た古新聞で原爆投下を知ったそうだ。まだそんな作業が行われていた事に少し驚く。長崎の永井隆博士の悪口(名前は伏せてあるが)も書いてあり、何かと興味深い解説であった。2015/08/19

寛生

29
69年前のあの朝、人類が経験したことのない爆弾の下で、皮膚が剥がれ落ち、赤ん坊から年寄りまで、無数のガラスの破片を体全体に受けたまま水を求めて歩き続けた「苦痛の痕跡」を峠が詩にする。「盛りあがった傷痕」としての峠のコトバは、私たち日本人に、特にこの8月語りかけてくる。声にならない、声のない無数の傷痕を憤怒の炎の中から詩にした峠は「1945、Aug. 6[は]/人間が神に加えた/たしかな火刑。」という。〈顔の黄色い人種の上〉に落とされ、今尚その暴力は正当化されつづける炎の下の生き地獄からの無数の悶え。2014/08/06

Takao

4
著者は「あとがき」で「この詩集があまりに貧しく、この出来事の実感を伝えこの事実の実態をすべての人の胸に打ちひろげて歴史の進展における…過去から未来への単なる記憶でない意味と重量をもたせることに役立つべくあまりに力よわいことを恥じた」「然しこれは私の、いや広島の私たちから全世界への人々、人々の中にどんな場合にでもひそやかにまばたいている生得の瞳への、人間としてふとしたとき自他への思いやりとしてさしのべられざるをえぬ優しい手の中へのせい一ぱいの贈り物である。」と述べる。今この時代に再読されるべき詩集。2015/07/16

死の舞踏

2
今だって服を脱いだら火傷の後が残っている人がいる。ガラスが埋まっている人もいる。その人達が聞いているって心に思い出した方がいいね。記録された言葉の裏に想像を膨らまして。2014/01/21

マイケル

1
この詩集に書かれている終戦後の周辺事情を理解するための参考文献として、「ヒロシマを伝える-詩画人・四國五郎と原爆の表現者たち-(永田 浩三著)」を合わせて読むことをお勧めします。特に1950年8月6日の平和式典のビラ撒きの意味。なお、この中の詩をベースに、大木正夫氏が作曲したカンタータ「人間をかえせ」という曲があります。これまでのオーケストラ版に加えてエレクトーン編曲版が来年2020年に初演される予定。2019/11/20

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