内容説明
第二次世界大戦末期のドイツ。戦争に行った兄は捕虜に、ナチスに反抗した父は捕らえられ、母は空襲で行方不明。ひとりぼっちになった十四歳のエンヒェンは農家に預けられ、その村で、占領地から強制的に連れてこられたロシア人労働者の若者たちと出会う。ドイツの敗色が濃くなってきたある日、男性の外国人労働者が村から連行されることを知ったエンヒェンは、ロシア人の少年セルゲイを逃がそうと決意、そのまま、ともに逃亡してしまう。人目を避けながら、セルゲイの故郷ロシアをめざして歩く二人。人々の裏切り、善意、おびえ、軍人たちの自決、押し寄せる難民―東へむかう二人が見たものは、戦争の中でむき出しになった人間の姿だった。飢えと疲労にさいなまれた二人も、生きのびるために、手段を選ばなくなってゆく。そして村を出て六十二日、ついに二人が出会ったのは…。
著者等紹介
シュルツ,ヘルマン[シュルツ,ヘルマン][Schulz,Hermann]
1938年、現在のタンザニアに宣教師の息子として生まれる。ドイツのルール地方で育ち、書店で職業訓練を受けた後、鉱山で働く。その後南米・近東・アフリカ等を広く旅し、1967年からは出版社を率い、出版人としてはアフリカ、ラテンアメリカ等の文学やノンフィクション、専門書を精力的にドイツに紹介することで知られた。近年は青少年にも大人にも楽しめる物語を書き、著作に専念している。他の作品に『川の上で』(徳間書店、産経児童出版文化賞JR賞受賞)などがある
渡辺広佐[ワタナベヒロスケ]
1950年愛媛県生まれ。中央大学大学院博士課程修了。ドイツ文学者、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ゴ
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