中公文庫<br> チベット潜行十年

中公文庫
チベット潜行十年

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  • サイズ 文庫判/ページ数 294p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122009431
  • NDC分類 292.29

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アメヲトコ

8
1943年、援蒋ルート西北公路の実態調査の密命を帯びてラマ僧に扮して内モンゴルからチベットに潜入し、戦後はインドチベット間の交易や東チベットの実態調査を行い、最後は明治維新モデルでのチベット近代化運動に携わったことでラサを追放され50年に帰国するまでの一大冒険記。中共の侵略直前のチベットを描いた貴重な記録ですが、当時のチベットも決して楽天地ではなく、とくに東チベットの「人殺しつつ寺めぐりつつ、行け行け、南無阿弥陀仏」の世界は凄まじいものがあります。2018/03/31

kj54

6
WWⅡ末期日本軍の諜報員として、ラマに身をやつし外蒙古からチベットに潜入し、日本の敗戦後もしばらくとどまった人物の記録。当然なかなかタフでワイルドでバイオレンスでもあるわけだが、記述は簡潔で好感が持てる。高原の民の描写は、諸星大二郎の異世界物(私が勝手につけた)をおもわせる。順番が逆なのかな。2015/06/17

Hisatomi Maria Gratia Yuki

3
中学か高校の頃に図書館のハードカバーで読んだものを文庫版で。あの頃より脳内に参照項目が増えたせいか、同じものを読んでいても印象が異なる。あの頃は文中の木村さんと5歳くらいしか違わないのに、はたちを超えているというだけで「大人」であり別の世界の人のように感じていた。今は「こんな美男で(チベットに行く前、紅顔の美少年の写真や青年時代の写真がある)はたちそこそこでこんなに頭が良くて情が厚かったら男女ともにモテて当然だな!」と思った。また、日本人が捉えるチベット語のカタカナ表記は、今もさほどかわらないように思う。2015/10/15

金宗泰

2
仏教徒以外のチベット滞在記は初めてで、当時の中国とチベットの国境の様子などなかなかスリリングに描かれててかなり貴重。地方では針が通貨がわりになったりとか時代感じるな…。モンゴル人に完全になりすまして現地で就職して成り上がったり、キャラバン率いたりともうサバイバル感あふれる。どんなに逞しく生きてもやっぱり1人の人間、最後は望郷の念に駆られ、身分を自らあかし自首。数ヶ月間の監獄生活の末ついに日本に帰還する。日本に帰ったら、逗留期間中の給料がきっちり払われてたっていうとこがなんとなくハッピーエンドでホットした。2023/03/16

Kimu2

2
第二次世界大戦の頃をチベットで過ごした木村氏の回想録です。軍の命令でチベットに入り、その当時のチベットのありさまが書かれて(記録されて)おります。風景を想像させるような筆致でバーチャルな旅行気分になったことを思い出します。当時の中央アジアのことは取り上げられることが少ないように思いますので、そのあたりに興味のある方は一読してみてもよいのではないかと思います。

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