中公新書ラクレ
過防備都市

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121501400
  • NDC分類 317.78
  • Cコード C1236

出版社内容情報

ピッキングや外国人犯罪の増加が報道され、防犯意識は高まる一方だ。地下鉄サリン事件や9・11は、テロへの警戒を促し、大阪・池田小の悲劇以後、学校も外敵の侵入を防ぐ要塞と化した。「より安全に、より均質に」。高まるセキュリティ意識が、「都市の浄化」を求める。一方で、監視カメラやスーパー防犯灯等のハイテク設備が設けられ、他方で地域住民による自警団が結成され、パトロール活動に力が入れられる。だが、そこに他者を排除するという悪意は潜んではいないだろうか

内容説明

ピッキングや外国人犯罪の増加が報道され、防犯意識が高まった。監視カメラやNシステムの設置、地域社会での自警団結成が盛んだ。現代都市の悪意と善意を気鋭の建築評論家が読み解く。

目次

序 過防備都市とは何か
1章 情報管理社会の空間
2章 戦場としてのストリート
3章 要塞化する学校
4章 住宅という最後の砦
5章 テロリズムと都市

著者等紹介

五十嵐太郎[イガラシタロウ]
中部大学工学部建築学科助教授。専攻は建築史。1967年パリ生まれ。東京大学工学部建築学科卒。同大学院修了。博士(工学)。東京芸術大学、横浜国立大学等で講師を務め、現職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

耳クソ

17
ゼロ年代のクリティシズムはこの一冊に集約される。本書を、実例の羅列ばかりでつまらないとする読者も少なからずいるようだが、それはわれわれの目に映る現実がつまらないからだ。われわれはいつまで目を閉じているつもりなのか。ただ見ることができないのなら、夢を見ることすらままならないだろう。2024/04/16

サイバーパンツ

9
常に視られていないと落ち着かないまなざし不在の不安、自らの安全を脅かすもの、空間を穢すものは徹底的に排除するという暴力性、セキュリティを強化すればするほど、空間に対して過剰反応しがちになり、私たちの不安は増大していく。タイトルの過防備都市については最初の方でさらっと説明され、あとはほとんど実例を挙げているだけなのでやや退屈。2017/11/12

スズツキ

4
近未来SF的に移行していく過度にアブノーマルを抑制、排除していこうと考える現代社会を体現したかのような街づくりに写真を豊富に交えながら、警鐘を鳴らしている。作中でも出てきたが、真っ先に連想したのが『エネミー・オブ・アメリカ』。価値観が反転していくさまが恐ろしい。2015/03/19

ネムル

4
シャッターによる防犯からスキャナーによる管理へ、市民の警察化、セキュリティを徹底させればさせるほど、その空間が安全ではないと思わせるジレンマ。問われるべきは社会構造と、その社会に対して家や学校といった空間を如何に「開く」か?2009/08/02

鉄髭

2
内容もさることながら、『過防備都市』とのタイトルにも表れているように、単語のチョイスや、レトリックも面白かった。2010/05/24

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