ロリータ

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  • サイズ B6判/ページ数 462p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105056056
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

ヨーロッパの教養豊かに育ったハンバート・ハンバートは、幼い頃の最初の恋で心に傷を負っていた。理想のニンフェットを求めながらも、パリで結婚するが失敗。離婚を機にフランス語教師としてアメリカに渡った彼の下宿先には、一人の少女がいた。ロリータ。運命のいたずらから、ロリータと二人きりとなったハンバートは、彼女とともに車で全米を転々とすることになる―彼らを追跡する、謎の男が登場するまでは。少女愛というタブーに踏み込んだがためにスキャンダラスな問題作として広く知られる一方、本書が幾多の「謎」を重層的に含み込む、精緻極まるパズルのような名品であることは意外と知られていない。その緻密な「謎」ゆえに、今もなお世界中の読み巧者たちを引きつけてやまない文学の逸品、「言葉の魔術師」ナボコフの最高傑作が、発表50年を経て待望の新訳。

著者等紹介

ナボコフ,ウラジーミル[ナボコフ,ウラジーミル][Nabokov,Vladimir]
1899‐1977。1899年4月23日、帝政ロシア時代のサンクト・ペテルブルグで貴族の家に生まれた。1919年、ロシア革命により家族でドイツに亡命。ケンブリッジ大学卒業後、ベルリン、パリと移り住み、主にロシア語で執筆活動を続ける。1940年、アメリカに移住。スタンフォード、コーネル、ハーバード大学などでロシア文学を教える傍ら、英語でも創作活動を始める。1955年に発表された『ロリータ』が大センセーションを巻き起こし、教職を辞す。スイスのモントルーに移住し、死ぬまでそこで暮らした。ロシア・アメリカ文学史上に屹立する異形の大作家

若島正[ワカシマタダシ]
1952年京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。小説論、アメリカ文学研究。『乱視読者の帰還』で本格ミステリ大賞「評論・研究部門」受賞、『乱視読者の英米短篇講義』で読売文学賞随筆・紀行賞を受賞。詰将棋、チェス・プロブレム作家としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

107
義理の娘ロリータの魅力に取りつかれ、妻を偶然の事故で死に追いやり、残された少女を我がものとする中年男ハンバート・ハンバートのニンフェット(9歳~14歳の少女)への執着と狂気を描いた小説。「ロリコン」(ロリータ・コンプレックス)の言葉は、この小説に登場する少女ロリータに由来する。少女性愛者のこの物語は、いま読んで驚くことはあまりないが、「夢見るあどけなさと一種異様な俗悪さが同居する」ロリータに翻弄され、時を経てクィルティへの凶行に及ぶのがちょっと異常である。すべては愛を奪われ神経を病んだハンバートの妄想が生2017/08/04

優希

103
単行本で再読です。最初こそロリータなる少女への倒錯した想いが伺えますが、中盤から物語の色合いはガラリと変わったのが伺えました。ロードノベルとミステリーの要素も加わり、どんどん面白くなっていったように感じました。スキャンダラスさはありますが、それだけではない万華鏡のような作品。タイトルで誤解を招かざるを得ないのが損していると思いました。読み手を選ぶかもしれませんが、個人的には好きな作品です。2017/07/03

市太郎

55
初ナボコフ。性的に倒錯した、そしてちょっぴり異常でゲスな精神の持ち主、ハンバート・ハンバートによる手記。この言葉の遊戯から、がんばって掬い取ってみたのだけれど、自分がどこにいるかわからない発狂的な思いを時折味わった。信用ならない語り手というが、この小説の中に何が隠されているのかたぶん、わかっていない。いやわりと筋は追いやすい。反吐が出そうな(文字通りハンバートが吐くシーンもあるが)異常な行動や精神に翻弄されまくって再読は必須か。次はどんな顔を見せてくれるのか楽しみ。もう一度読めと、この本に言われている。2014/02/21

かもめ通信

23
『わたしが先生の「ロリータ」だったころ 愛に見せかけた支配について』からの派生読書。ナボコフの作品はこれまで何作か読んだことがあるが『ロリータ』を読むのはこれが初めて。実際に読んでみると、聞きかじりから想像していたような話ではなくて、思わずナボコフに謝りたくなった。でも、だからこそ、小説は読者によって完成されるものなのかもとも。2022/12/08

チェ・ブンブン

23
文体から滲み出るキモさ!エロさキレッきれっ。これは官能小説の傑作だ。幼女ロリータと結ばれるため、ロリータの母と結婚、母を殺し、ロリータを愛する者を殺すため、不慮の事故にみせようと企てる様子。冒頭「ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩めにそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。」、名簿を見てロリータを探し出して「詩」だと興奮するところなどなどクレイジーだ。しかし「危険なプロット」の先生同様、好奇心湧かせ読ませるのだ!さて、島田雅彦のナブコフ回を楽しむ準備が整ったぞ!2013/11/25

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