講談社文庫<br> 地雷を踏んだらサヨウナラ

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講談社文庫
地雷を踏んだらサヨウナラ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 324p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061834347
  • NDC分類 916

出版社内容情報

【内容紹介】
2000年正月映画「地雷を踏んだらサヨウナラ」原作

「アンコールワットを撮りたい、できればクメール・ルージュと一緒に。地雷の位置もわからず、行き当たりドッカンで、最短距離を狙っています……」フリーの報道写真家として2年間、バングラデシュ、ベトナム、カンボジアの激動地帯を駆け抜け、26歳で倒れた青年の鮮やかな人生の軌跡と熱い魂の記録。

砲火に身を曝(さら)してシャッターを切るとき、無論、明日の未来はありませんが、こうして今、一分一秒を生きている実感は重く、充実しています。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

367
戦場カメラマン、一ノ瀬泰造の写真と手記と両親や知人に宛てた手紙を編集したもの。手記の最後は1973年11月。カンボジアの友人の結婚式でのもの。一ノ瀬は「地雷を踏んだらサヨウナラ」と手紙で語っていたが、彼の最期はわからない。だが、どうやら念願のアンコールワットには到達することなく命を落とした。母親からの手紙、そして両親によるあとがきは、涙無くしては読めない。 ここにも彼の撮った多数の写真が掲載されているが、私の1番好きなのは、'72年ベトナムの「一通の手紙に読み入る風はまだ」。一ノ瀬の両親に重なるようで。2018/09/12

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

136
戦乱のカンボジア、バングラデシュ、ベトナムを駆け抜け、そして散っていったカメラマン一ノ瀬泰造。日記と手紙そして彼の写真で綴られた戦地の状況。「地雷を踏んだらサヨウナラ」という言葉通り、迫撃砲が飛び交う戦場、一歩間違えたら生命が無い世界。だが、彼の明るくユーモラスな文章が重い雰囲気を吹き飛ばす。取り憑かれたようにアンコールワットを目指す一ノ瀬氏。何が彼をそこまで駆り立てたのだろうか?1973年11月、アンコールワットに向かう途中で消息を絶つ。彼が最期にその目で見たものは何であったのだろうか。★★★★2016/07/10

いちろく

47
紹介していただいた本。1973年、アンコールワットへの単独潜行中に命を落とした戦場カメラマン一ノ瀬泰造が残した日記や手紙、写真をまとめた一冊。ベトナム戦争やアンコールワットを目指した記録は、戦争の悲惨さを伝える内容だけでなく、野心に、食欲に、性欲に、と生に邁進する一人の男性の姿に見えた。「私の生き甲斐は写真です。いい写真を撮るためだったら命だって賭けます。そして、そんな時の私は、最高に幸せです」何故、危険を犯してまで戦場の一コマを切り撮りに行くのか?その答えが提示されたコメントが強く印象に残った。2017/06/25

kinkin

45
読む前は、もっと重くて戦争の辛さ、悲しさばかりが綴られているとや思っていたが、家族や知人に宛てた手紙、日記ではカラッとした文面だと思った。戦争カメラマンとして日々生死をかけた緊張感がかえってそんな気持ちになるのかもしれない。一方、写真は戦争の悲惨さを充分語っている。身近に戦争がなくなり、戦争に行った人、体験した人々がどんどん少なくなっている現在、集団的自衛権という考え方が台頭してきた。遠いところで軍靴の響きが鳴っているような気がした。2014/06/28

こら

32
40数年前、内戦中のカンボジアに散った戦場カメラマンの手記。一ノ瀬が残した、その戦場での様子は、昼食時になると双方停戦して、食事をしたりとどこかのんびりしている。ただ、ポル・ポト派の蛮行等が明らかとなった現代では、一ノ瀬には戦場の本質を見定める能力が無かったとしか思えない。アンコールワットを撮りたいというだけの動機も、現代の若者と通じるところがあるのではないか。2017/12/05

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