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岩波現代文庫
パサージュ論 〈第5巻〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006001056
  • NDC分類 944
  • Cコード C0110

出版社内容情報

19世紀の事物や歴史の中に眠り込まされていた夢の巨大な力を解放しようとしたベンヤミンのパサージュ・プロジェクト全5巻完結.『パサージュ論』をめぐる書簡,編者の長文解説,引用文献一覧,人名注索引を付す.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ecriture

2
ベンヤミンは断片的資料を建築素材として、シュールレアリストらと同じく古くなったものの内に革命的エネルギーを見出し、19cの夢からの覚醒を促す点では彼らと袂を分かつ。過去の沈殿物を救済し、パサージュの麻薬的陶酔のように歴史を捉え直す野心的な試みが為されている。ナチの十八番でもあった「感情移入」によって永遠回帰する過去の事物を現在で塗り潰してしまうのではなく、あくまでも具体的な過去の破片を現在へと持って帰らなくてはならない。歴史の根源を、敷居でためらいまどろむ具体的事物の煌めきの内に求める遊歩者の軌跡である。2013/06/21

roughfractus02

0
著者の死がこの本を未完にしたのか? 「本」とも呼べぬこの「書かれたもの」は確かに引用とメモの羅列で統一感を欠く。一方、辞書のようにA-Zに分類され、個々の項目に別項目への参照指示があり、覚書もそこに組み込まれる可能性があったような痕跡もある。だが、歴史を過去の集積ではなく、夢の深さで測り、現在をその粉砕と覚醒として読者に提示するには、文字の向こうに夢を見せる書物ではダメなのだ。都市を拒否する街路自身さながら諸断片の隙間が読者の覚醒を促すように敷き詰められ、辞書に偽装されたハイパーテクストとなる必要がある。2017/02/14

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