映画史への招待

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映画史への招待

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000002158
  • NDC分類 778.2
  • Cコード C0074

出版社内容情報

サイレントからトーキー,モノクロからカラーへと映画の表現形態は変わるが,その歴史を直線的な過程として捉えるのではなく,国境や時間をこえ,縦横にその影響関係を読み解く.ビデオ時代の映画の見方を判りやすく説く画期的な映画入門.

内容説明

映画にとって歴史とは何か。本書は名作や監督中心の歴史でも、技法や思想の変遷をたどる映画史でもない。そうした既成の枠組みをとりはらったところに浮かび上がる映画という体験の豊かさを、現在の中でくり返し発見し、重層的な視点から映画の100余年にむきあっていく。映画を愛するすべての人に必携の書。

目次

1 映画史への提言(南インドの教え;映画史を教える;歴史と映画 ほか)
2 映画史はいかにして可能か(複数の歴史;サイレントの継承者;夢のスクリーン ほか)
3 映画はいかに語られてきたか(引用1895‐1998;用語集)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Foufou

11
単純に映画を論じる際の土台となるものが欲しいと思って手にした書物。どちらかというと興味があるのは撮影技法や映画文法の発展史だったが、政治における映画、映画における政治についても多く紙面を割いている。左寄りの感じがしないでもないが、気になるほどではない。日本における映画の受容が浄瑠璃や歌舞伎の延長線上にあって、だから活動弁士なる特異な職業が生まれ、厳密な意味でのサイレント映画は日本にはなかったなどの論考は、まさに啓蒙足り得ている。2022/09/30

swshght

8
映画史を論じた書物はたくさんあるが、映画史そのものについて思考したものはきわめて少ない。ここで述べられるのは、映画史のクロノジカルな流れではなく、「映画史のありかた」だ。映画史はこれまでいかにして語られ、これから語られるべきなのか。従来の映画史研究では、作品と作家の分析および表現形式の変遷に重点が置かれ、その言説は西欧中心主義に縛られてきた。筆者はこの点を批判し、既存の映画史からの脱却をはかる。国家区分や時代設定、映画の環境について多角的に検証を重ね、問題点を指摘し、新たな映画史構築へのモデルを提示する。2012/11/23

3
「映画史の本」ではなくて「映画史についての本」。映画史を作るにあたってどのような方法をとるべきか。(時代区分や国別の区分によって作品を分類することで抜け落ちるものについて)第二部では様々な切り口から映画を語っている。大衆演劇が映画観客の下地を用意していたという指摘に目からウロコ。ゴダールの「映画は目の前のものの寄せ集めである」というサンプリング的な制作思考はやっぱり「夢の工場」的なものとは相反するものだ。歌舞伎と映画の関係や、弁士の存在についての文章が日本映画の特異性を浮かび上がらせる。2016/11/10

numainu

2
評価B2016/08/30

つまみ食い

1
「招待」というタイトルの語が示すように、この本は映画について世界史的にも各国史的にも体系的な記述は提供していない。むしろ、体系的な記述で「日本映画史」や「世界映画史」というようなものを書く時、その対象にとって周縁的なものをどのように映画史が取りこぼすのか、ということを問題意識として、国・社会に固有な文化や伝統、歴史との連続性を認めつつどれか一つに還元してしまわないよう注意しながら映画の歴史を記述していると言える2021/03/21

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