漂流するトルコ―続「トルコのもう一つの顔」

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784947702685
  • NDC分類 292.66
  • Cコード C0026

内容説明

政府に弾圧され続けるトルコの少数民族の言語と、その生活の実態を、スパイと疑われながら、調査し続けた著者。前著『トルコのもう一つの顔』(中公新書)が、まるで推理小説のようなスリルに満ちた物語と、著者の少数民族に対する愛情に涙が出たと絶賛され、長らく続編が待望されながら20年。前著でトルコを国外追放されたあと、再びトルコへの入国を果たし、波瀾万丈のトルコ旅行が開始される。著者の並外れた行動力と、深い知識、鋭い洞察力が生み出した画期的トルコ紀行。

目次

トルコ・ギリシャ国境から帰仏
あるアレウィー教徒
本を書こう
トルコ民主化の兆し
再びトルコの土を踏む
トルコ大使たち
フランスの新聞とトルコの新聞
トルコの言語状況に関する報告書
ラズ人とヘムシン人
クルド語、ザザ語、ウブフ語、ラズ語…
諜報機関さまざま
トルコのメディア
出版倫理
『ラズ語文法』を友人たちに

著者等紹介

小島剛一[コジマゴウイチ]
1946年、秋田県生まれ。1978年、ストラスブール大学人文学部で博士号を取得。専攻は言語学と民族学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えそら

10
前著「トルコのもう一つの顔」の続編だけど、こちらの方が圧倒的に臨場感があって興味深かった。前著の出版前のそのままの原稿が読みたい。罵詈雑言に至るまでよどみなくリズミカルな文章で読みやすい。おかげで本を手にしてから二時間ほどで読み終えてしまった。書かれた事象は近現代のトルコの民族問題だが、他の歴史の記述を見た時にその裏を想像するのに役立つと感じた。前著を読むまで「多民族多言語の国家オスマン帝国をどうやって単一民族の単一言語のトルコ共和国に変えたのか?」というのは長い間の疑問だった。答えがここに。2017/10/07

micamidica

8
流れで再読。こちらのほうが、小島氏の歯に衣着せぬ物言いが気持ちよい。トルコ国粋主義者の意識的、無意識的な改竄ぶりには呆れ果てる。この書を全ヨーロッパで翻訳して出版してほしいと思ってしまう。かたや小島氏と人々との交流にこころあたたまる場面もたくさんあり、そのおかげで胸糞悪さに負けずに読み進めることができるのかもしれない。2017/06/10

小町

8
前作とは別人か!?と言うほど過激な作者に驚き。前作はかなりオブラートに包んだようだ。でもこれも読んでよかった。トルコは親日が多いと聞いて素直に喜んでいたが、そのトルコは今もって民族差別をやめない国だった。旧体制を欧州に批判され、仲間外れにされるもんだから、ますます愛情が日本に向くんだな。でもそのトルコの国粋主義は、欧州に国を分割された恐怖感から生まれたのであって…。言語学から色々なことを考えさせられた。「世界中どの国も、隣国と喧嘩する」「遠くに仲間がいるとはかない夢をみる」と言うのは至言だなぁ。2012/10/10

kokada_jnet

8
名著「トルコのもう一つの顔」の続編。前著の末尾で国外追放されて、前著の発行経緯、再度トルコ入国を許されての言語調査経験を描く。この本は前著のインパクトには負けるが・・。前著では抑え気味だった著書の人柄がかなり詳しく描写されていて、凄い御仁だと尊敬する。2010/11/09

tbtmtk

6
自分は本当に世界のことを何も知らないんだなぁ、とつくづく思い知らされた気分。 長年にわたり、トルコの少数民族の言語の研究調査を続けておられる氏の、前著からの続編である。 本書も非常に面白かった。それ以外に言えないくらい面白かった。 本を書くきっかけになったネパールでのトレッキングの場面などは特にインパクトがあった。 こんな生き方ができるほどのバイタリティはそうそうふつうの人にはないから、羨ましいとも思わないが、素晴らしい生き方だと思う。2018/05/30

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