感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サイバーパンツ
15
北斎も若冲も金田も庵野もMr.も奈良美智も富沢ひとしも町野変丸もみんなみんな「super flat」。そこにあるのは、時代もジャンルも権威も関係なくて、全てが等しく平面的で、西洋化されていない極めて日本的な「芸術」であり、またこの「super flat」な「芸術」は様々な「芸能」と結合し始めている。言われてみれば、「super flat」な多幸的カオスを感じさせる作品は近年、様々な媒体で見られる。そういう意味で、「super flat」は今の日本のカルチャーにおいて再考すべき概念の一つなのかもしれない。2016/06/19
allite510@Lamb & Wool
8
浮世絵やアニメ漫画まで含む日本の美術、美意識を「スーパーフラット」の一語で一気通貫に接続してしまおうという、2000年に提示された村上隆のコンセプトブック。コンセプト自体は「プレミアムフライデー」のようにスルーされてしまったかもしれないが、村上隆の問いかけ自体は未だ有効だし現在でも切実な叫びのように響く。冒頭、アニメーター金田伊功の絵と北斎を並置したところでほぼ全てを語っているようにも思えるが、ここで村上が発している(と思われる)「ほら、おんなじだろ?」はとてつもなく痛快だ。(続く)2017/12/26
じゅんた
1
予想に反して、面白かった2016/10/26
小物堂社
0
北斎を見て何に対して心を揺さぶられているのだろうか。時代に、技術に、評価に、発想に、・・・。そこに金田伊攻の登場である(以上本の中身のある場面)。アートはその作品には現れない、不可視なモノも同時に加味される。それはある文脈では必要になり、ある文脈では不必要になる。僕らはどこまでフラットにアートを鑑賞することができようか。もし出来るのなら、その人の芸術への目的は何なのだろうか。美術館へ行くときの心構えはあまりにフラットである。2014/09/04
Ich_co
0
あれからだいぶ経ったけど、すっごいコンセプト。やっぱり。身も蓋もない!言っちゃった!と、当時、腰を抜かした記憶あり。