出版社内容情報
出版をめぐる状況は世界的な規模で、大きな変貌を遂げている。学術雑誌はインターネット上であたりまえに公開。電子出版・インターネット書店・出版情報と物流情報のデジタル化・電子図書館、そして出版メディアのゆくえを語り尽くす、書店員の書いた一冊。
はじめに
●一時間目 学術出版の世界は激変している
1……電子ジャーナルとはなんだろう
学術雑誌は紙からオンラインへ
インターネット上での公開のしくみ
電子ジャーナルの利点と問題
2……活発化するドキュメント・デリバリー・サービス
3……CD-ROMの新しい展開
4……インターネットによる無料公開
5……学術出版の世界の激変はなにを示しているのか
6……出版業から電子メディア企業へ
7……日本の出版業界の変化
8……電子出版は日本の出版業界になにをもたらすのか
●二時間目 電子出版は出版を変えるか
1……電子出版とはなんだろう
2……編集過程の電子化
3……CD-ROMの登場
電子出版としてのCD-ROM
電子ブックの意義
CD-ROMを使った情報検索
4……オンライン出版の時代へ
「電子書籍コンソーシアム」の実証実験
「デジタルキオスク」の実証実験
デジタル・コンテンツのオンライン販売
5……オン・デマンド出版の急展開
●三時間目 成長するインターネット書店
1……インターネット書店の登場
インターネット書店はなぜ生まれたか
アマゾン・コムはなにをめざすのマネジメント」という考え方
5……近代出版流通システムの破綻と新たな秩序形成
●五時間目 出版メディアのゆくえ
1……電子図書館の登場
電子図書館とはなんだろう
諸外国の電子図書館の現状
日本の電子図書館の現状
2……電子図書館と出版業界
電子図書館は有料か、無料か?
コンテンツ提供者としての出版社と取次・書店の役割
3……デジタル時代の読者像
4……出版メディアのゆくえ
あとがき
索引
(前略)私は「電子出版」と呼ばれるものが、現在の出版物の一般的な形態である本や雑誌をすべてなぎ払ってしまうなどと主張するつもりはありません。また、「電子出版」の良いところだけをことさら取りあげて、バラ色の出版未来論を展開する気もありません。そうではなく、現在進行形の事態をできるだけ総合的に分析して、今後の出版メディアをその流通も含めて展望してみたいと思っているのです。(後略)
印刷本なのか、電子本なのか。
これからの出版社・取次・書店・読者を考えるために必読の1冊!
内容説明
本書は、「電子出版」に代表される出版メディアのデジタル化の現状を紹介し、今後の出版メディアを展望することを目的に書かれました。話しことばの文体で書き下ろしたのは私にとって初めてですが、それは出版メディアの現状をなるべく分かりやすいことばで読者に伝えようと考えたからです。出版業界にかかわる人たちはもちろんのこと、出版メディアに関心のある多くの人たちにこれからの出版について考える素材を提供することができれば、これにまさる喜びはありません。
目次
1時間目 学術出版の世界は激変している(電子ジャーナルとはなんだろう;活発化するドキュメント・デリバリー・サービス ほか)
2時間目 電子出版は出版を変えるか(電子出版とはなんだろう;編集過程の電子化 ほか)
3時間目 成長するインターネット書店(インターネット書店の登場;日本のインターネット書店の現状 ほか)
4時間目 出版情報・物流情報のデジタル化(書店のSA(ストアオートメーション)化の進展
取次の物流改善と出版社による「共同倉庫」構想 ほか)
5時間目 出版メディアのゆくえ(電子図書館の登場;電子図書館と出版業界 ほか)