出版社内容情報
小林なにがしの「戦争論」は、戦争がかっこいいかのように扱っているが、水木しげるの体験した戦争は地獄絵そのものの世界だった。南方の戦場で片腕を失い、奇跡の生還をした水木上等兵の「迫真の戦争」を描いた自伝。イラスト90枚入り。
目 次
入 隊
最 前 線
丘 の 上
土人部落
別 れ
戦後の生活
小さな天国
〈初版〉あとがき
〈絵本版〉旧版あとがき
〈絵本版〉新装改訂版あとがき
〈絵本版〉新装改訂版あとがき
あれから、五十年も歳月が過ぎてしまって南方のトペトロ一家も、エパロムという娘一家を残すだけになってしまった。
この前、エパロムから手紙がきて「お前も、もう死ぬだろうから早くこちらに会いにきてくれ」
という意味がかいてあったが、こちらの娘も成長して大人になってしまった。
あの頃はみな元気だし、南方の陽ざしのきつい下でジャングルの木々をみるととても美しかったものだ。
戦争のお陰で随分いい体験をしたと今頃になって思っている。
要するに世界中の人間はそんなに悪い人間なんかいないような気がするのも、善良な彼等とつきあっていたせいかもしれない。
一九九九年三月十九日
水木しげる
この本での水木さんのイラストは、大変な迫力。戦争がリアルに描かれている。
内容説明
南方の戦場で片腕を失い、奇蹟の生還をした水木上等兵。土人(つちのひと)から「パウロ」と呼ばれ、小さな島の住人になることを誓う…。
目次
入隊
最前戦
丘の上
土人部落
別れ
戦後の生活
小さな天国