感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
17
「サルナスをみまった災厄」のH・P・ラヴクラフトはやはり一人格調高く、怪奇幻想が濃縮されたその世界に読者を引きずり込み、巻頭を飾るにふさわしい。ピーター・スカイラー・ミラーの「壜のなかの船」とアーサー・J・バークスの「大洋に鳴る鈴の音」に少し既視感があったが、たぶんどちらも似たような部分のある別の作品が記憶によみがえってきたのだと思う。「壜のなかの船」のそのときにしか行けない魔力的な雰囲気を持つお店に妙に魅かれる。エイブラム・メリットの「林の乙女」は木の擬人化のような演出で(本当は木の精霊か?)2020/06/12
ヴィオラ
5
WT祭り(その2)。◆備考◆「「サルナスをみまった災厄」H・P・ラヴクラフト/「壜のなかの船」ピーター・スカイラー・ミラー/「林の中の乙女」エイブラム・メリット/「学校奇談」マンリイ・ウェイド・ウェルマン/「魔力のある物語」クラーク・アシュトン・スミス/「夢の蛇」ロバート・E・ハワード/「コボルド・キープの首なし水車番」G・ガーネット/「エチケットの問題」ロバート・ブロック/「墓地の鼠」ヘンリー・カットナー/「猫のような女」メアリー・エリザベス・カウンセルマン/「大洋に鳴る鈴の音」アーサー・J・バークス/2013/03/04
ヒサ子。
3
ウィアード・テイルズの傑作選。12篇、どれもよかった。 「サルナスをみまった災厄」「壜のなかの船」の二編は、情景の描写がまさに私好みでした。「林の乙女」もその後に続くかな。最後の「サファイアの女神」は、1934年の小説とは思えないほど「なろう」の異世界転生モノに通じる物があって、なんかテンションが上ってしまった。それまでその世界になかった弓矢を作らせたり、とかねぇ。ザ・王道のヒロイックファンタジーでした。 一番良かったのは、ちょっとコミカルな「エチケットの問題」です。2020/02/29
カム・ウィズ・アス
2
ウィアード・テイルズ掲載作から選出された作品集。巻頭のラブクラフト作はゴミ。二作目もゴミ。三作目の「林の乙女」以降は作家の有名無名を問わずおもしろい。最後の作品には注目。金もなく友達もいない48歳の中年男が簡単な方法でファンタジー異世界へいき、力強い王に転生して冒険するという「サファイアの女神」 これって「なろう小説」じゃん! 1934年発表なんだけど。 あと、日本では無名の作家さんたちのプロフィールも書かれていて、これが興味深い。2015/06/26