内容説明
ドナルド・キーンをして本物の天才と言わしめた安部公房から、文壇の常識はずし町田康まで、日本語文学はどのように新しい「世界」を創っていくのか。言葉と文化・人間をまっすぐに見つめた文章三八篇。
目次
世界の中の日本文学―越境、それとも境界の変更?
「小説の方法」に導かれて―われらの大江から世界のオーエへ
辺境という罠―安部公房は本当に「無国籍作家」か
砂漠と辺境の詩学―『砂漠の思想』安部公房著
ロシアより愛をこめて―島田雅彦と「手法としての亡命」
言葉の渦に呑まれて―『かがやく水の時代』津島佑子著
したたかな言語感覚―『夫婦茶碗』町田康著
進化するコトバ
プーシキン対マクドナルドの苛烈な戦い
アヴァンギャルド芸術について〔ほか〕
著者等紹介
沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年、東京に生まれる。東京大学教養学部卒業。同大大学院博士課程満期退学。ハーヴァード大学博士課程単位取得。現在、東京大学助教授
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