ゲルニカ―ピカソ、故国への愛

セール，アラン【文・図版構成】〈Ｓｅｒｒｅｓ，Ａｌａｉｎ〉/松島 京子【訳】

冨山房インターナショナル（2012/04発売）

• サイズ B4判／ページ数 56p／高さ 35cm
• 商品コード 9784905194323
• NDC分類 723.36
• Cコード C0071

内容説明

ピカソの生い立ち、子供時代、少年時代、戦争、爆撃、ゲルニカの制作過程をたどりながら、世界の色彩が勝利をおさめる日を見てみよう。

著者等紹介

セール，アラン［セール，アラン］［Ｓｅｒｒｅｓ，Ａｌａｉｎ］
１９５６年、フランス南西部ビアリッツ生まれ。元幼稚園教諭。１９９６年、出版社リュウ・ド・モンド社をおこす。子供が世界のことをもっと知りたいと思うような本、また人種差別や子供の権利をテーマにした本、詩を取り入れた本など、著作は５０冊におよぶ

松島京子［マツシマキョウコ］
東京生まれ。学習院大学卒。１９６５年より２年間フランスに滞在し、フランス語の学習とギリシャ、イタリアはじめヨーロッパ各地の美術館、博物館、史跡をめぐる。帰国後、日本語教師、企業のフランス語の翻訳など（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[優希]

ピカソの歩みとゲルニカ完成までの道のり。何故ゲルニカは描かれなければならなかったのかがよくわかります。ピカソならではの戦争に対する想いが込められたゲルニカ。いかにピカソが戦争を嫌い、平和を願っていたかがわかります。戦争までの流れを見てきた後で、平和の象徴として描いた絵とのあまりにも違う対比が心を打ちます。実際にゲルニカの実物を見ましたが、あの迫力と、あまりの悲しみが胸に押し寄せた感覚を思い出しました。

2016/05/26

[greenish 🌿]

何故「ゲルニカ」は描かねばならなかったのか…。反戦のシンボル「ゲルニカ」制作の軌跡に迫る　---原田マハ著『暗幕のゲルニカ』との併読。万国博覧会に展示される作品はこれとは異なるはずだった。故国に、人類史上初めて民間人が犠牲となる爆弾が投下されたその日までは。恐怖の3時間15分・50トンの爆弾・300発の焼夷弾…その惨劇・愚かさを、憑かれたようにキャンパスにぶつける。女性写真家：ドラ・マールが記録した数々のデッサン過程からの、迫力の見開きが胸に迫り、後に世界平和会議のために描かれた「花とハト」が心に沁みる。

2017/07/31

[あじ]

反戦のシンボルであるピカソの【ゲルニカ】を、未来を担う子供たちへ捧げた大判サイズのカラー絵本。中盤、両開きでワイドに飛び出してきたゲルニカに息をのんだ。ピカソの生い立ちを作品と共に紹介しながら、ゲルニカの捉えどころを子供らに与える。★３.５／５ 対象は高学年辺りから。

2017/08/21

[Ｍａｉラピ]

ストライプのＴシャツが一番似合って、私の中で好き嫌いは別として、絵が一番うまいと思う画家がピカソ。ゲルニカが反戦の絵であるとは知っていたが、どういう経緯で描かれ、この絵が何を語っているか、考えたこともなかった。ゲルニカの制作過程、ディテール、そして歴史やピカソ自身のことを交えて、筆者が情熱的に伝え、ピカソの絵が心に深く語りかける秀逸本。『生きる喜び』とても気に入りました。おススメ☆

2012/06/21

[k sato]

ゲルニカに描かれた垂直の鳥！ピカソの生い立ちからゲルニカ制作の過程までが分かる作品集。構想に始まり、数多くの習作を経て、ゲルニカの完成度を上げていく。約８ｍ×４ｍのキャンバスに描かれたのは、反戦の想いだった。ドイツとイタリアの砲撃をうけ、廃墟と化していくスペインの小さな町ゲルニカ。市民を狙った空爆に心を痛めたピカソは、白黒のゲルニカに想いを込めた。制作最終過程で加えられた垂直の鳥。真ん中より左上にあるが、暗くて分かりにくい。一体何を意味するのか。不気味さの象徴の鴉と平和の象徴の白い鳩の両方にみえた。

2023/05/20