内容説明
女川町の5つの小中学校の子どもたちは、3・11という現実を、悲しみを、そして将来への希望を作文、俳句(五七五)、絵、写真など、さまざまな方法で表現した。
目次
故郷 女川―いつもすぐそばにおだやかな海があった
つなみ 3・11 時の記録
子どもたちの作品集 まげねっちゃ 3・11 私たちの記憶―作文・俳句(五七五)・津波に負けない(女川のよかったところ)
今日まで 私たちが今、考えていること―作文・五七五・津波に負けない(3月11日から今までで、よかったこと、楽しかったことは)
明日へ 女川と私たちの未来―感謝の手紙・作文・俳句(五七五)・絵・津波に負けない(これからの女川はどうなってほしいか、そのためにはどうしたらよいか)
小学生、中学生が撮影した女川
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
12
地元だから、たくさん資料があってサバイバーがいて、素晴らしい自費出版やカタログ(アートプロジェクトや女川のあちこちに貼られた抱腹絶倒のポスター全集。あ、興味ある方はぜひこちらを…http://youpouch.com/2015/03/06/255941/)を読ませてもらった。でも、やっぱこうじゃなくっちゃ!とにっこりしたのがこの本。「震災観光が恥ずかしい?な~にいってるの、どんどん来てもらいたいよ、まずは話そうよ、忘れないようにさ!」そんな前向きなサバイバーたちと、また来年会おうと約束しました。2015/09/24
ぐうぐう
8
ここには、宮城県女川町で被災した子供達の言葉が綴られている。想像を絶する規模の津波を体験し、幸いにも生き残ることができたその瞬間から、しかし彼ら彼女らは、普通の子供だったら考える必要のないことを考え、普通の子供だったらがんばる必要のないことをがんばり、普通の子供だったら強いられることのないことを強いられるようになった。(つづく)2012/03/21
さんつきくん
4
宮城県牡鹿郡女川町。2011年3月11日の東日本大震災において大きな被害を受けた自治体の一つである。震災前、震災直後、震災後の町の様子の写真が津波の恐ろしさを伝える。震災前の人口約1万人。死亡、行方不明者は800人を超えた。この本では写真と共に女川の子供達と避難所運営にあたった先生方(女川の学校は高台にあったため被災をまのがれた)の視点で書かれた一冊で、教育者達にとっては貴重な資料にもなると思う。青空教室として子供達と接したり、地域住民と接したり。とある先生は気を紛らわせようと創作落語を披露したりと、先生2013/01/25
orangepelican
2
宮城県牡鹿郡女川町にて、東日本大震災の後の子供たちの思いや、学校の先生たちの体験談などが綴られています。子供たちの思いは、子供だけに率直で、本当に色んな感情が垣間見えます。一方、先生たちの体験談は、学校での防災はじめ、通常の教育についても、とても役にたつ貴重な体験談ではないかと思います。色々な人の色々な感情が溢れる書です。日本中の色んな人に読んでほしいと思った。
タリコ
2
あの日以前の風景、あの日の大津波、そしてそれから―。子供達が発したリアルな言葉、絵画作品がたくさん収められています。さらに、各学校の先生方(養護教諭・栄養士含)がそれぞれの立場であの日からどう対応してきたかをまとめられており、非常時の教育現場の記録として読んでもとても有益だと思います。2012/03/16