善き書店員

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  • サイズ B6判/ページ数 343p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784903908465
  • NDC分類 024.04
  • Cコード C0095

出版社内容情報

●内容
この時代において「善く」働くとはなにか?

500人超のインタビューをしてきた著者が、現役書店員6名へのロングインタビューを敢行。

その肉声の中から探し、見つけ、考えた、体を動かし普通に働く人たちが大事にするようになる「善さ」とは――。

「肉声が聞こえてくる」、新たなノンフィクションの誕生。

話をうかがいはじめたら……すぐに、ああ、こういうゴツゴツとした手ざわりのある体験そのものを聞きたかったんだよなという手応えがあった。この分野ならずとも多かれ少なかれ抱えているものに、「書店員」という職業を通してさわっている気がした。いまの働く日本人にとって「これはあなたの悩みや思いでもあるかもしれないですよ」といいたくなるような声がたくさん聞こえてきて取材に夢中になったのである。――最終章「普通の人に、『長く』話を聞いて記録するということ」(書き下ろし)より。

●木村俊介(きむら・しゅんすけ)
インタビュアー。1977 年、東京都生まれ。著書に『物語論』(講談社現代新書)、『仕事の話 日本のスペシャリスト32 人が語る「やり直し、繰り返し」』(文藝春秋)、『変人 埴谷雄高の肖像』(文春文庫)、『料理の旅人』(リトルモア)、聞き書きに『調理場という戦場』(斉須政雄/幻冬舎文庫)、『少数精鋭の組織論』(斉須政雄/幻冬舎新書)、『芸術起業論』(村上隆/幻冬舎)、単行本構成に『海馬』(池谷裕二・糸井重里/新潮文庫)、『ピーコ伝』(ピーコ/文春文庫PLUS)、『イチロー262 のメッセージ』シリーズ(ぴあ)などがある。

●本書に登場する書店員
佐藤純子さん/ジュンク堂書店仙台ロフト店
小山貴之さん/東京堂書店神田神保町店
堀部篤史さん/京都・恵文社一乗寺店
藤森真琴さん/広島・廣文館金座街本店
長﨑健一さん/熊本・長崎書店
高頭佐和子さん/丸善・丸の内本店
(所属店名はインタビュー当時)

内容説明

6人の書店員にじっくり聞き、探った。この時代において「善く」働くとはなにか?500人超のインタビューをしてきた著者が見つけた、普通に働く人たちが大事にする「善さ」―。「肉声が聞こえてくる」、新たなノンフィクションの誕生。

目次

1章 お腹はいっぱいにはならないけど、胸はいっぱいになったなという仕事かな。
2章 ほんとうに好きじゃなければやめたほうがいいよ、と年下の人間にいわざるをえない業界にはなっていますよね。
3章 本やコーヒーのようなものって、合理性だけを追求したらなくてもいい嗜好品ですけど、そのなくてもいいものがある世の中を考えたい。となると、自分の店だけ栄えればいい、ではなくなるんですよね。
4章 私は広島のことが大好きで思い入れも強く、町の本屋を守ることには特別な使命感も持っていますが、でも、ちょっと…あのですね、こういう切実な気持ちを口に出して人に話すのって、たぶん、いまがはじめてなんじゃないかと思うんですよね。
5章 町の本屋の最高峰を目指す、という目標ができてからですよね、ほんの少しですけど、強くなれたかなと思っているのは。
6章 さっきから仕事や仲間について「好きだった」という話ばかりたくさんしているように見えるのかもしれませんけれども、私にとって、書店員は好きだからこそ続けられた仕事なんです。
7章 プラスのことだけを見られていたらいいなとは思いながらも、現実はそれだけではないんですけど…ただ、いいことだって起きていることも、私はじかに見て知っているんですね。きちんとした本を手がけて、一冊入魂で届けようとして本を作っている人たちがいることは事実として知っていますから、そういう本はちゃんと届けたいなと思っています。
8章 普通の人に、「長く」話を聞いて記録するということ

著者等紹介

木村俊介[キムラシュンスケ]
インタビュアー。1977年、東京都生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

76
1999年に22,296軒あった日本の書店は、2014年に13,943軒と減少傾向にある。本書は、この日々きびしい状況が深まっている業界で働く「書店員」6人がシリアスな状況やまじめな迷いや悩みについて現実を語ったもの。表紙に「肉声が聞こえてくる」新たなノンフィクションの誕生を謳っているが、“語り”そのものの手法は目新しくはない。「普通の人」の話では、本を売りながら、地域の中で文化や芸術、情報コミュニティの拠点づくりを行っている長崎書店(熊本市)の活動は興味深い。こういう書店には、がんばってもらいたいな。 2015/04/25

山田太郎

55
小さいころは本屋さんになりたかったけど、なんかなるもんじゃないなと思った。長崎さんが特に印象的だった。本好きな人はやっぱり良いと思いました。2013/12/19

よっち

44
著者が取材した6人の書店員に、彼らが実際にやってきたこと、見てきたこと、個人的な思いなどを聞いたものをまとめた一冊。彼らは「書店員」であることを続けてきて、これまでにいくつもの挫折を乗り越えて今があり、今の書店や業界に不安を感じながらも、それだけでなく自分が何ができるか考えている人たちです。以前書店員だったことがある自分ですが、同年代の現場に居続けた人たちが今どんなことを考えているのか、その一端をうかがい知ることができて、とても大きな刺激を受けました。書店というものの存在を考える上でもオススメの一冊です。2014/07/19

ヨクト

39
本屋店員さん達が本屋事情の良い点も悪い点も等身大、つまりノンフィクションの現実を語っている。「本が好き」というだけでは挫けてしまうほど、書店員は肉体的精神的にもキツイという叫び。大型店でなければ、売れる本と売りたい本、理想と現実の棚作りの前に涙し、本が売れない時代にも立ち向かわなくてはならない。たたかう本屋さん達。個性がなくなると、ネット販売に負け、個性に走るにはリスクが伴う。でもね、僕ぐらいの本屋玄人にもなると本屋の小さな主張やなけなしの遊び心にも気づけるので大切にして欲しい。僕は味方だ。2013/12/01

ユメ

38
今、改めて読み直してみたかった。著者が6名の書店員にインタビューした本書では、彼らが本そのものや本屋という場所について語るだけではなく、書店員としての仕事を通して人と接することに焦点が当てられている。『善き書店員』という印象的なタイトル。インタビューを受けた書店員たちが大切にしている「善さ」とは何なのか。それは、本のみならず、人を愛することなのではないかと私は感じた。自分ではない誰かのために本を届け、本屋という居場所を守る使命感。そしてそれは、きっと誰にとっても大切な「善さ」なのだ。2018/05/29

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