出版社内容情報
●内容
この時代において「善く」働くとはなにか?
500人超のインタビューをしてきた著者が、現役書店員6名へのロングインタビューを敢行。
その肉声の中から探し、見つけ、考えた、体を動かし普通に働く人たちが大事にするようになる「善さ」とは――。
「肉声が聞こえてくる」、新たなノンフィクションの誕生。
話をうかがいはじめたら……すぐに、ああ、こういうゴツゴツとした手ざわりのある体験そのものを聞きたかったんだよなという手応えがあった。この分野ならずとも多かれ少なかれ抱えているものに、「書店員」という職業を通してさわっている気がした。いまの働く日本人にとって「これはあなたの悩みや思いでもあるかもしれないですよ」といいたくなるような声がたくさん聞こえてきて取材に夢中になったのである。――最終章「普通の人に、『長く』話を聞いて記録するということ」(書き下ろし)より。
●木村俊介(きむら・しゅんすけ)
インタビュアー。1977 年、東京都生まれ。著書に『物語論』(講談社現代新書)、『仕事の話 日本のスペシャリスト32 人が語る「やり直し、繰り返し」』(文藝春秋)、『変人 埴谷雄高の肖像』(文春文庫)、『料理の旅人』(リトルモア)、聞き書きに『調理場という戦場』(斉須政雄/幻冬舎文庫)、『少数精鋭の組織論』(斉須政雄/幻冬舎新書)、『芸術起業論』(村上隆/幻冬舎)、単行本構成に『海馬』(池谷裕二・糸井重里/新潮文庫)、『ピーコ伝』(ピーコ/文春文庫PLUS)、『イチロー262 のメッセージ』シリーズ(ぴあ)などがある。
●本書に登場する書店員
佐藤純子さん/ジュンク堂書店仙台ロフト店
小山貴之さん/東京堂書店神田神保町店
堀部篤史さん/京都・恵文社一乗寺店
藤森真琴さん/広島・廣文館金座街本店
長﨑健一さん/熊本・長崎書店
高頭佐和子さん/丸善・丸の内本店
(所属店名はインタビュー当時)
内容説明
6人の書店員にじっくり聞き、探った。この時代において「善く」働くとはなにか?500人超のインタビューをしてきた著者が見つけた、普通に働く人たちが大事にする「善さ」―。「肉声が聞こえてくる」、新たなノンフィクションの誕生。
目次
1章 お腹はいっぱいにはならないけど、胸はいっぱいになったなという仕事かな。
2章 ほんとうに好きじゃなければやめたほうがいいよ、と年下の人間にいわざるをえない業界にはなっていますよね。
3章 本やコーヒーのようなものって、合理性だけを追求したらなくてもいい嗜好品ですけど、そのなくてもいいものがある世の中を考えたい。となると、自分の店だけ栄えればいい、ではなくなるんですよね。
4章 私は広島のことが大好きで思い入れも強く、町の本屋を守ることには特別な使命感も持っていますが、でも、ちょっと…あのですね、こういう切実な気持ちを口に出して人に話すのって、たぶん、いまがはじめてなんじゃないかと思うんですよね。
5章 町の本屋の最高峰を目指す、という目標ができてからですよね、ほんの少しですけど、強くなれたかなと思っているのは。
6章 さっきから仕事や仲間について「好きだった」という話ばかりたくさんしているように見えるのかもしれませんけれども、私にとって、書店員は好きだからこそ続けられた仕事なんです。
7章 プラスのことだけを見られていたらいいなとは思いながらも、現実はそれだけではないんですけど…ただ、いいことだって起きていることも、私はじかに見て知っているんですね。きちんとした本を手がけて、一冊入魂で届けようとして本を作っている人たちがいることは事実として知っていますから、そういう本はちゃんと届けたいなと思っています。
8章 普通の人に、「長く」話を聞いて記録するということ
著者等紹介
木村俊介[キムラシュンスケ]
インタビュアー。1977年、東京都生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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