“緑の革命”を起した不屈の農学者 ノーマン・ボーローグ

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784903487304
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0061

内容説明

“現場”でのたゆまぬ品種改良努力の結果うみだされた“奇跡の小麦”(小麦さび病に強く、矮性かつ早生で、高収量の小麦)を武器に、まずはラテンアメリカで、次いでインド亜大陸で、さらにアフリカで中国で、次々と引き起こされた“緑の革命”の中心人物となり、飢餓に苦しむ数億人の人々を救い、世界平和に貢献したとして、一九七〇年、ノーベル平和賞を受賞した農学者、ノーマン・ボーローグの生涯。

目次

アイオワの農場育ちの少年
ミネソタ大学の新進科学者
ロックフェラー財団からの挑戦
ボーローグ、画期的な小麦育種プログラムをつくる
ロックフェラー財団のメキシコ・プログラムは海外へ
インドの食糧危機を回避
緑の革命の父
孤独と闘うマーガレット
研究と研修の世界的ネットワークが誕生
ノーベル平和賞
世界食糧賞の設立
中国でのボーローグ
ボーローグとジミー・カーター、アフリカ援助に立ち上がる
100億人に食糧を
特別招聘教授
ボーローグの遺産
謙虚な「飢餓と闘う英雄」の思い出

著者等紹介

ヘッサー,レオン[ヘッサー,レオン][Hesser,Leon]
第2次世界大戦中、10代で出征し、占領軍の一員として日本に渡る。戦争が終わると結婚し農場を営むが、30歳になったときパデュー大学に入学。農業経済学を専攻し、同大学で博士号を取得。1966年から外務省に勤務し、パキスタンに赴任。飢餓が広がっていた同国で、米国政府の技術支援プログラムを率いる。ノーマン・ボーローグ博士を支援し、博士の開発した高収量型小麦の種子と生産技術を導入した。パキスタンでの勤務のあと、食糧生産量を増やすための世界的プログラムに携わる

岩永勝[イワナガマサル]
1951年生まれ。京都大学大学院修士課程修了。米国ウイスコンシン大学にて農学博士号を取得。現在、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所所長。専門は植物遺伝育種学および国際開発論。過去30年間、海外(米国、ペルー、コロンビア、イタリア、メキシコ)で研究生活を送る。2006年に「日本農学賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ステビア

25
原題"The Man who Fed the World"=「世界を食わせた男」。「平和を望むなら正義を育てなければなりません。しかし同時に、より多くの食糧を生産するために畑も耕さなければなりません。それをしない限り平和が実現することはありません」2023/06/29

厩火事

4
緑の革命を牽引し、ノーベル平和賞を受賞した学者の話。考えが一貫してて好感。やっぱり信念って大事2017/02/20

pikamura

1
収穫量の多い小麦を開発して途上国に広め、数億人を飢餓から救った農学者の伝記。本来農業部門の賞はないノーベル賞まで平和賞枠で受賞しているのだからすごい。本文は農業技術の研究・普及に取り組む組織名がずらずら出てきてやや目が滑るが、それだけ、研究開発と同等に成果の普及活動というのも重要なのだなと納得できた。2023/10/07

デューク

1
品種改良でさび病に強い小麦を開発し、ノーベル平和賞を受賞した農業学者、ノーマン・ボーローグ博士の伝記。研究室ではなく、常に現場で土にまみれながら品種改良を進めた異色の学者である。のみならず、自身が開発した小麦を世界各国に移植し、「緑の革命」の立役者となった博士。彼のおかげで数億人が飢餓から救われたとも言われている。使命感を持つこと、現場を重視することの大切さを再確認させてくれる一冊。やはり伝記は面白い。おすすめ。2014/08/15

ラーメン小池

1
ノーマン・ボーローグ博士は農業、品種改良の世界では最も有名な人物で日本との関係も深い。シャトル育種という新手法により倒伏に強く広域適応性のある多収小麦を開発し、緑の革命の主導者として飢餓の脅威から数多くの人々を救ったことによりノーベル平和賞を受賞。しかし氏の真の業績は、その影響力を用い、発展途上国を中心に農業技術者を育成したり、国際的な農業研究ネットワークを構築したこと、また飢餓に悩んでいる国々に農業関連予算をつけるよう説得するなど、90を超えても精力的に世界的な啓発活動を行ったことではないでしょうか。2014/04/29

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