感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羊山羊
2
外交の難しさは外国との交渉だけじゃない。外圧と交渉した結果を、内に認めさせなくてはならない。この内と外の狭間に立ってギリギリの妥協点を探るのは、生半可な覚悟では出来もしない。ウルグアイラウンド・コメ交渉において、熾烈な譲歩を強いて来るアメリカと、それに頑迷に反抗し、「一粒も入れず」と吠える国内農水畑。この2つの間での調整に身をやつした人たちの視点から交渉を描いた傑作ノンフィクション。また、絶望的なまでの虚しさを覚えるのも本書。どれほど必死に戦っても、結果が出なければそれは犬死にと変わらない。2016/04/22