若者を見殺しにする国 - 私を戦争に向かわせるものは何か

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784902465129
  • NDC分類 304
  • Cコード C0036

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

34
格差の固定化に絶望し、戦争による不幸の均等配分を望む。その議論はとても鋭い。◇ここ最近、何冊も戦前社会の本を読んできた。日本もアメリカもドイツも、バカみたいな格差の拡大に苦しみ、均等な発展ができなくなっていた。結局有効だったのはどの国も、戦争による総力戦体制の構築。マクロでみてもそうなのだ。◇赤木も、それを避けるのは結局思いやりかよ、と自嘲するが、でも魔法の策などない。富める者が嬉々として思いやる合理性を、なんとか足掻いて創り出すしかない。◇だって、ここには全く登場しないが、戦争には相手が必要なのだから。2016/01/18

壱萬弐仟縁

32
2007年当時の若者は、既に、8年経ったので中年になってきたはず。であるからして、書名として、『中年を見殺しにする安倍政権 戦争にすら出ていけないSNEP』という本が出せる時代になっているのである。教育とはなにか(056頁~)。親の学力は問題にされないのはおかしいという(060頁)。たいして頭のよくないおとなが、安定的な地盤を利用して、子供に教育を押しつけています(061頁)。ワーキングプアの問題というのは、普通の労働をしても普通の生活ができないという問題です(069頁)。2015/12/08

白義

11
あえて言えば、とても美しい一冊だ。いや、もちろん恨み骨髄という感じで若年弱者男性を見捨て使い潰す社会を弾劾しているし、その果ての主張はやけくそ気味に、与えないならいっそ戦争で共に死ねという凄まじいもので、筋道立ったものではないかもしれない。だがトレーズ閣下も言うように、戦う姿勢は人間に必要なものであり、また美しいものだ。そして人々に見えなかった問題を、問題として理や情を尽くして周知させる、それこそが社会思想家の戦いの始まりとも言えるだろう。そういう意味で、本書は始まりの一撃として意味を持つ2012/08/29

ズマ

6
すごく「激しい」本だった。著者の怒りと絶望が前面に押し出されていて、読んでいる方までひきずられてしまいそうになった。半泣きで読んでいた。「希望は戦争」を読んで、著者の意見を断片的に知ってはいたが、これを読んで印象がかなりかわった。思ったよりもその思想に賛同できる部分が多かった。ただ、筆者の、富裕層はどうでもいいが安定労働層をひたすら敵視する、という姿勢はよくわからない。富裕層こそ、安定労働層と貧困層を争わせている元凶なのではないか、とどうしても思ってしまう。2013/09/02

tomo

6
これを読んで「自己責任だろ」って感じるのが至極まっとうだとは思うが、それで片づけてはいけない、とも思う。「自己責任」ってどこまでが「自己責任」なのか考えさせられる。失業者やフリーターの方で未来に不安を感じている人はこの本を読んで少し世の中のせいにしてみては?私はそう感じました。2009/09/08

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