内容説明
家族/人間関係を社会に奪われてきた、ハンセン病にかかった肉親をもつひとたち―苦しみを超えて、つながりを編み直す家族たちの語りが、ここにある。12の人生物語(ライフストーリー)。
目次
娘/妹の語り(よみがえった記憶;園を脱走してわたしを産んでくれた;父を嫌った自分が辛かった;父親にもっとやさしくしてあげたかった;絶対に、こっちから動くもんかと;病気じゃないのに療養所へ)
息子/弟の語り(「癩者の息子」として最初の名乗りをあげる;遺族訴訟の先頭に立って;患者家族ゆえに高校退学を迫られて;肉親を知らずに育つ;和光園生まれを隠さずに生きる;学業中断と結婚差別の悲しみ)
著者等紹介
黒坂愛衣[クロサカアイ]
1977年生まれ。埼玉大学大学院文化科学研究科博士後期課程修了、博士(学術)。東北学院大学経済学部准教授。「黙して語らぬひとが語り始めるとき―ハンセン病問題聞き取りから」(『解放社会学研究』第26号)で2011年度日本解放社会学会大会「優秀報告賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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CBF
1
(★★★★☆) 人間関係を社会に奪われてきた、ハンセン病にかかった肉親をもつひとたち。苦しみを超えて、つながりを編み直す家族たちの、12の人生物語ー。ちょうど先日、家族訴訟に対して国が控訴をやめて謝罪したニュースがあり、タイムリーな一冊だった。これを読むと、家族も"当事者"だということがよく分かる。 『こういう親父をもったおかげで、いろんなひとに出逢い、いろんなことを考える。ほんとに、父ありてこそ、と思います。こういう父の子に生まれて、はじめて、ようやくここまで来たなぁと。ありがたいことだと思います。』2019/07/31
梅園
0
凄まじかった。これは確かに、国による謝罪と補償と名誉回復が絶対必要。2019/07/05