内容説明
「川は生きていて、たえず変化をするが、その変化が治水という面では、人には時に過酷な条件となる」古来、木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)流域では、洪水によって無数の犠牲者を出してきた。そして人々は、生きていくための瀬戸際の闘いを繰り広げてきたのである。過去の記録をひもとき、木曽三川流域を歩き、人々のこころに寄り添いながら、人間がいかに川とともに暮らし、洪水と闘ってきたかをたどった、壮大な鎮魂のドラマ。
目次
第1章 伊勢湾台風を生き延びた人々(船頭平閘門―悲願の木曽三川分離;木曽川文庫―見いだされた記録 ほか)
第2章 洪水との闘いの歴史(海津町―木曽三川が合流する地;運命共同体―輪中の形成 ほか)
第3章 薩摩藩による宝暦治水工事(“御手伝普請”―薩摩藩島津家に命じられた治水工事;家老の金策奔走―薩摩藩の存続をかけた工事費調達 ほか)
第4章 輪中の風景(輪中を歩く―洪水の記憶が染みこんだ町;輪中の屋敷林―洪水における守り ほか)
著者等紹介
立松和平[タテマツワヘイ]
小説家。1947年、栃木県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。在学中に「自転車」で早稲田文学新人賞受賞。宇都宮市役所に勤務の後、1979年から文筆活動に専念。1980年『遠雷』で野間文芸新人賞、1997年『毒―風聞・田中正造』で毎日出版文化賞受賞。行動派作家として知られ、近年は自然環境保護問題にも積極的に取り組む。2002年3月、歌舞伎座上演『道元の月』の台本を手がけ、第31回大谷竹次郎賞受賞。仏教に関する著書も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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