編集とはどのような仕事なのか―企画発想から人間交際まで

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784901510196
  • NDC分類 021.4
  • Cコード C1000

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出版社内容情報

現役必携!志望者必読!一般読者も本を見る眼がガラリと変わる。講談社現代新書の編集長を務め、「選書メチエ」を創刊し「現代思想の冒険者たち」「日本の歴史」など記念碑的企画を世に送り出した名編集者が、仕事の奥義を全て披露する。


●編集者とは何か
 テレビドラマでは/「一個の人格」として/無から有を/適性はあるか
●ささやかな自分史
 週刊誌での体験/激戦、新書編集部/学術局へ
●出版小史と出版事情
 危機に立つ出版/日本の出版をふりかえる/コミックの出現以後
●企画の発想法
 自閉的傾向のなかで/企画の三角形/分類してみると/問題をつくる能力/編集会議という整流器/取材とはどのようなことか
●原稿依頼とプロット
 引き受けてもらうには/設計図はどう作るのか
●催促と読みと修正
 あるときは鬼、またあるときは……/第一の読者として/原稿修正のむずかしさ
●チェックから入稿まで
 整理に必要な構想力/目次と小見出し/図版・写真・地図・イラストなど
●装丁・タイトル・オビ
 本にも衣装/タイトルを練る/オビは腕の見せどころ
●編集から見た販売・流通・宣伝
 書店という特異な場所/再販売価格維持契約と委託配本制/新聞宣伝と書評
●人間交際論
 「面」でつきあえ/他人の力を借りる/本と「つきあい」の共通性
●本に未来はあるか
 本はどうなってゆくのだろうか/変わりゆく編集作業/村上春樹の実験
●著者に育て

くりかえし編集者は黒子だといいながら、こんな本を書いてしまった。はたしてよかったのか。出すぎた真似ではなかったか。正直いって、いまだにいささか微妙な気持ちである。
 本文中で述べたことだが、文芸関係にはたくさんの編集者の回顧があり、貴重な文学史的証言になっている。ところが、いわゆる人文・学芸・ノンフィクション分野には、編集者のそのような記録が少ない。またあったとしても、どちらかといえば大所高所に立った思い出になる。目次の作り方、オビの良し悪し、小見出しから、卑近なことでいえば、どうすれば担当した本を話題にすることができるか、といった実務を教えてくれるものはほとんどない。
 現場に即した編集の教科書が欲しい。現役のときからずっと思っていたことである。企画を発想する。原稿の書ける人を発掘する。それらは簡単なようでじつはむずかしい。あるいは、どのようにしたら読者に迎えられる本になるのか。そこにコツはあるのか。そのような、いわば実用に撤した手引きがほしかった。
 編集者のほとんどは体験主義者である。論理的に教えることをしない。編集という仕事は、ことばで教えることなどできっこない、と確信しているところがあるからだ。

内容説明

現役必携!志望者必読!一般読者も本を見る眼がガラリと変わる。講談社現代新書の編集長を務め、「選書メチエ」を創刊し、「現代思想の冒険者たち」「日本の歴史」など記念碑的な企画を世に送り出した名編集者が、奥義のすべてを披露する。

目次

編集者とは何か
ささやかな自分史
出版小史と出版事情
企画の発想法
原稿依頼とプロット
催促と読みと修正
チェックから入稿まで
装丁・タイトル・オビ
編集から見た販売・流通・宣伝
人間交際論
本に未来はあるか
著者に育てられる

著者等紹介

鷲尾賢也[ワシオケンヤ]
1944年、東京の下町に生まれる。慶應義塾大学経済学部卒業。1969年、講談社入社。「週刊現代」編集部をスタートに、「講談社現代新書」編集長、PR誌「本」編集長などを歴任。書き下ろしシリーズ「選書メチエ」を創刊し、また「現代思想の冒険者たち」(全31巻)、「日本の歴史」(全26巻)などの記念碑的な企画を世に送り出す。学術局長、学芸局長、取締役を経て、2003年退任。現在、講談社顧問。また編集者の顔とは別に、小高賢の名で歌人としても活躍、歌集『本所両国』で第五回若山牧水賞受賞
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

9
私も、読者、そして編集者から真の意味で求められる作家になりたいと思った。「才能は天性のものかもしれないが、センスは磨くことができる」というところに救われた。2011/06/10

メロン泥棒

3
著者は元講談社現代新書の編集長。文芸ではなくノンフィクションを中心に活躍してきた編集者の本は珍しい。本文も作家のエピソードは最小限で、実務的な話が主体。本を作る際の企画立案から、著者の選定から装丁・タイトル・帯のデザインに渡るまで実際のエピソードを交えながら順を追って説明されているので「本作り」がとてもよくわかる。特に原稿の催促について「催促無しの脱稿という夢のようなことは、一切考えないほうがよい」というのには笑ってしまった。本が好きな人や本作りの仕事がしたいと思っている人には是非オススメ。2004年刊2010/12/02

みゅーん

2
新書系の本を作っておられた著者のお仕事内容。本当に作者と二人三脚で、この題字を変更とか、内容削りましょうとか、編集者ってかなり大胆に本の内容に手を出しているんだなあと知りました。小説担当や雑誌担当の方のこういう本も読んでみたいです。一口に編集者と言っても、全然仕事が違うんだろうな。2013/10/26

arippy

2
なかなか勉強になった。見城さんの本を読んだときもそう思ったけど、やっぱり編集は、まずは人間力が必要な仕事なんだなぁと改めて。2012/03/11

徳島の迷人

1
講談社の一般書や週刊誌を担当した編集者による本。如何にして本が作られているかが分かる。編集者が企画し著者に依頼する流れが多いのは初めて知った。週刊誌、辞書、何百万も売れるコミック、売れても数千部の学術書、どれも作り方が全く違う。編集者によっても違う。分業は少なめで、編集者の「一個の人格」で企画と交際と校正を行う。必要なのは好奇心、外向性、行動力。企画には価値、採算性、実現性の3つが必要、これはウェブや動画等でも十分通用する考え。売れた物の真似をする、対象を絞る、章の始めは毎回簡単にする等のコツもある。2023/08/19

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