内容説明
「大和」、「武蔵」などに装備されていた徹甲弾や装甲鈑の性能は世界に冠たるものと製鋼技術者として自負してはいた。第二次大戦では艦隊同士が激突して砲戦を交える決戦に遭遇しなかったので、この点を実証する機会もなかった。米軍は、終戦直後に来日して海軍の技術を克明に調査するとともに弾丸や甲鈑を米国に持ち帰り、実射を含む各種の試験を実施。その報告書類が機密保持期間後ワシントンの国立公文書館で開示された。日本海軍が実施していた製鋼作業の実態、製品の性能とともにベールに包まれていた「外国の甲鈑や弾丸との性能比較」も極めて正確に記載されていた。本書はこれらを本邦初公開する。
目次
1 米国海軍の日本海軍技術調査団報告書
2 弾丸用素材の製造法
3 徹甲弾の熱処理技術
4 徹甲弾の品質性能
5 装甲鈑の製造法
6 装甲鈑の品質性能
7 徹甲弾と装甲鈑の射撃試験と規格
8 日本の徹甲弾の甲鈑貫徹力と装甲鈑の耐弾抗力(射撃試験成績)
9 海軍の航空機用防弾鋼板
10 海軍と民間の技術の交流