内容説明
音楽学者/ロック・ミュージシャン、大里俊晴の思考の軌跡を集成。現代の音楽批評のスタートラインと限界点とを同時に示す、著者最初で最後の評論集。
目次
第1部(音楽への求愛;音楽の異種交配;“現代音楽”の臨界点;声と言葉 ほか)
第2部(ワールド・カルチュア・マップ/フランス;フランス・フリージャズ・レトロスペクティヴ;マンガ家たち;彼自身による弁明 ほか)
著者等紹介
大里俊晴[オオサトトシハル]
1958年2月5日新潟生まれ。音楽学者・ロックミュージシャン。70年代後半‐80年代前半には「ガセネタ」「タコ」などのバンド活動を行う。早稲田大学文学部を卒業後、87‐93年、パリ第八大学にてダニエル・シャレルの元で音楽美学を学ぶ。帰国後、音楽評論、ラジオ番組出演などを行う。97年から横浜国立大学にて現代音楽論、マンガ論、映像論などの講義を担当。音楽批評家・間章に関するドキュメンタリー『AA』(監督:青山真治)にインタビュアーとして出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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バーニング
1
ひとつひとつの音楽を知っていることはほとんどないのだが、つづられる言葉で音楽を味わっているように錯覚させられる感覚が面白かった。耳ではなく、文字を追う目と頭で音楽を聴いているような。ある音楽から始まり、ジャンルについて、音楽一般について、あるいは批評とは何なのか、という地平にまで広がりつつ、もう少し文章を読みたい、というところで終わってしまったのは筆者の早すぎる死のせいなのか。2011/07/28
Doughnut
0
再読。間章、平岡正明を経由した筆者が情念を排して書いた、鋭くかつ明瞭な(少なくとも修辞法において、先の二者に比べれば、ね)音楽批評。みずから反動ジジイを自負するように、nowなものを決して手放しで語らず、歴史の参照を忘れない。しかし目線は未来の音楽に開いている。必読書にしたい。2015/09/12
HiRaNo
0
「ジョン・ケージからジョン・ケールへ」という示唆がありがたい。2013/09/16