出版社内容情報
イオン交換膜関連の研究で数々の実績を築いた著者が綴った45年の研究者生活の半生記と、研究者としての精神論を研究レポートとエッセイの2部構成で編集。若きケミストたちへ“真の研究者”たるべき姿、研究ノウハウのすべてを伝える。
著 者
執筆者プロフィール
水谷 幸雄
昭和4年生まれ。東京大学理学部化学科卒業後、徳山曹達株式会社(現・株式会社
トクヤマ)に入社。
イオン交換膜の研究を中心に手がけ、研究開発本部長まで務める。
日本発明協会賞、科学技術長官賞など、受賞歴も多数。
内 容
第1部が「研究と私」(研究レポート)、第2部が「研究ということ」(研究にまつわるエッセ
イ)の2部構成から成る。前者はイオン交換膜関連の研究で数々の実績を築いた著
者が、45年の研究者生活を振り返って綴った半生記というスタイルでまとめ、後者は
研究者としての精神論をエッセイでまとめたもの。自身の体験・研究レポートを交えな
がら、若きケミストたちへ“真の研究者”たるべき姿、研究ノウハウのすべてを伝える。
◎序文
第1部:研究と私
第1章:研究のスタート
1. イオン交換膜研究の始まり
2. イオン交換膜
3. 最初のテーマと重縮合型イオン交換膜
4. 付加重合型イオン交換膜への取組み
第2章:最初の成功体験
1. ペースト法イオン交換膜の誕生
2. ペースト法イオン交換膜
3. 巻取り重合法
4. 1価イオン選択透過性膜
5. ふとした疑問
6. 膜構造の解明
第3章:新たなる挑戦
1. 新しい研究テーマの探索
2. ポリプロピレンの改質
3. 無機イオン交換体の触媒作用
4. イオン交換膜の改良研究
5. 微多孔シート
6. 他の研究テーマ
第4章:研究リーダーの視点
1. 藤沢研究所
2. 研究開発本部長時代
3. 微多孔ホローファイバー
4. 事業計画の難しさ
第5章:終わりなき研究
1. 一研究者に戻って
2. 微多孔繊維
3. 相分離架橋重合
4. マロンニトリルの酸化重合
5. 研究テーマの相関性
【参考・引用文献】
第2部:研究ということ
第1章:良い研究を目指すためには
1. まず研究の本質を考えよう
2. 言葉の定義
3. 研究ということ
4. 発想に基づくプラスアルファ
5. 日本と欧米の思考風土の違い
6. 研究風土もさまざま
7. 化学常識
8. 既知の領域と未知の領域
第2章:研究のための視点と思考
1. ものの観方
2. 富士山の実体とは
3. 花は紅、柳は緑
4. 想像性と創造性
5. 発想の尊重
6. 源流にあるもの
7. 最初の一石
8. 布石を正しく見極めるには
9. 初歩の段階
10. 独自の研究と孤独
11. 孤独である勇気
12. 考える姿勢
13. 視点の違いが明暗を分ける
第3章:自分が本当にやりたいことを知る
1. 信じる道への賭け
2. 岐れ道で迷ったら
3. メモの効力
4. 人に向かって研究をしない
5. 研究に求められる適性
6. 研究の自由
7. 自分のストーリーを書く
8. 失敗を恐れない
9. 目標の設定
10. 文献の読み方
11. 学んで忘れる
12. 情報の洪水に流されないために
13. 研究のプロ
第4章:発想を具体化するためには
1. 予備実験の勧め
2. 実験への観察眼
3. 実験技能
4. 研究と実験
5. 実験との対話
6. 研究→実験→仕事
7. 成功体験が成長を左右する
8. 研究開発の進め方
9. テーマの素性
10. 良いテーマを求める
11. テーマの方向性と継続性
12. テーマの存続と棚上げ
13. 真のグループリーダーとは
14. 研究グループの意義
第5章:研究の成果が出るまで
1. 研究の評価
2. 有効に討論するための工夫
3. 学会を上手に利用する
4. 自分の研究を見る目
5. 廻り合せという流れの中で
6. 研究の効果と効率
7. ニーズ志向とシーズ志向
8. 研究と人間性
9. 研究者の見識
10. 研究者の責任
◎おわりに
目次
第1部 研究と私(研究のスタート;最初の成功体験;新たなる挑戦;研究リーダーの視点;終わりなき研究)
第2部 研究ということ(良い研究を目指すためには;研究のための視点と思考;自分が本当にやりたいことを知る;発想を具体化するためには;研究の成果が出るまで)