内容説明
「臓器移植のほかに治療法がない」、重い心臓病や肝臓病などに、あなた自身が、あるいは家族のひとりが倒れたなら、どうしますか?そして、そのとき移植を望むとしたら…。移植には、ドナーからの臓器提供が必要です。臓器によっては親や兄弟姉妹などにドナーになってもらうこともできますが、ほとんどの国では脳死した人から提供された臓器を移植するのが普通になっています。日本では、脳死による臓器提供数はわずか年間数例にとどまっています。一方、欧米では、年間何千例もの脳死での臓器提供が行われていると言います。移植を望むあなたや、あなたの家族にとって、その差はあまりに大きいことでしょう。それでも、患者とその家族は「生を求めて」困難な道を突き進むことになります。本書は、主に移植患者とその家族の体験を、たくさんの著作を引用・転載するかたちでまとめていますが、中には臓器提供を行った家族について書かれたものも一部含まれています。
目次
1 臓器移植医療とは(臓器移植の種類;臓器移植医療の特色)
2 脳死移植医療の普及はなぜ必要なのか(脳死移植の成績;高いクオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life))
3 日本の脳私移植医療の現状(狭き門―少なすぎるチャンス;生体移植―日本の移植医療のひずみ ほか)
4 脳死について知る(脳死とは;脳死問題と脳死移植は別問題 ほか)
5 いのち(いまこのときが、もっとも貴重なのです;だから、“ごほうび”で、助けてほしかった… ほか)