内容説明
「日本は素晴らしい国だ」「侵略国家などではない」と言った著者は、航空幕僚長を解任された。しかし、国益を損なうと思ったことについては、日本の立場をきちんと主張しなければならない。国家防衛の基盤は愛国心である。
目次
第1章 歴史を捻じ曲げる政治の責任
第2章 国会に参考人として招致されて
第3章 「日本は悪くない」
第4章 不磨の大典となった「村山談話」
第5章 日本の防衛体制のお粗末さ
第6章 精強な自衛隊をどうつくるか
著者等紹介
田母神俊雄[タモガミトシオ]
1948年、福島県生まれ。67年防衛大学校入学。71年、防衛大学校(第15期)電気工学科卒、航空自衛隊入隊。若い時分はナイキ(地対空ミサイル)部隊で勤務、その後航空幕僚監部厚生課長、南西航空混成団司令部幕僚長、第六航空団司令、航空幕僚監部装備部長、統合幕僚学校長、航空総隊司令官を経て、2007年3月航空幕僚長。2008年11月定年退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モンドノスケ
8
本来は、東京都知事選前に読みきる予定だったが、大幅に予定をオーバーしてしまった。精強な自衛隊をどうつくるかという章は非常に興味深い。私は”軍事を知らぬ者は口を慎むべき”だと思う。昨今のメディアで飯を食う者は軍事の重要性すら知らない人が多い感じがする。それらに対して警鐘を鳴らしていると私は解釈しました。2014/05/11
ジェンダー
8
作者の仕事上の体験から書かれています。歴史認識については議論の余地はありますが、まずは正しい事は正しいと反論し、謝るところは謝る。こういった発言がちゃんと出来なければ、いつまでも、良い外交が出来ない。2012/09/07
きいち
7
なぜ「いい国」というために、過去の行動に誤りがなかったと強弁する必要があるのだろう?それでは、誤った行動をとった将や兵と、純粋に信じて散った英霊とを同じに扱うことになるじゃないか。それでいいとは思えない。おそらくは部下から慕われる上官と思うが、この強烈な被害者意識と感情的な共感の動員の仕方は、「失敗の本質」で語られる多くの将兵を死へとおいやった旧軍の指導者と同じもの。軍の任務の内容についてや締め付けのおかしさについてなど専門家として語る内容にはうなずけることが多かっただけに、落とし穴の深さが恐ろしい。2012/12/09
mimm
7
難しい内容?とか思ったけど、文章は意外と読みやすい。もう一度、多角的に歴史を勉強したくなりましtた。論文を読んで、これで更迭されるとかありえないって思いました、正直。もうどこの政党を支持していいのかも、分からなくなっちゃいました。2010/10/23
トラビス
6
著者は元航空幕僚長だけに安全保障の問題がリアルに語られている。中でも「非核三原則」の功罪 。核を持たない国家は最終的には、核保有国の意思に従属せざるを得ない。これは正論。これを唱えた政治家はノーベル平和賞を受賞したがその後の日本がどれだけ苦しめられていることか!2017/01/21