内容説明
見知らぬ街、新しい人間関係、家族のいない生活。一人のキッチンは、楽しくも少し哀しく、いつも危うい。それでも夢を追い続ける若者たち。それぞれの「東京生活」をカメラとペンと舌でルポルタージュ。
目次
盛りそば―「人生転機の味は、海老真薯ですか」芸者・堀井英子
ベトナム生春巻き―「ここは、私が素に戻れる場所かもしれない」フリーライター・渡辺ゆき
ホウレン草とベーコンのクリームパスタ
ナスのマリネ―「東京最初の味は、定食の味です」派遣社員・吉村真理子
牛乳スープ―「カップラーメン、コンビニ弁当も大活躍だった」看護婦・吉原由紀
コロッケ―「私、食欲ある限り、死なないと思うんです」看護婦・小林みどり
ゴーヤチャンプル
キムチ鍋―「食へのこだわりは、簡単に言うとゼロです」報道カメラマン・大石剛
ホットケーキ―「…一人で食べるの好き。でも嫌い」アルバイト・上田大輔
納豆あえ―「給食なかったら、栄養失調だったかもしれない」保母・若林久美子〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エリ本
9
この文章の感じ、、もしやと思って調べてみたら「ASIAN JAPANESE」の小林紀晴さんの双子のお兄さんでした(双子だったとは💦)文章もなんとなく似てるし、二人とも写真家なんてすごい!2021/07/25
ソイラテ
7
生きるのがつらかった時に出会った本は忘れられない、これもその中の1冊。東京のアパート、夏の湿気を感じさせるような写真を中心に、ごくごく普通に生活する人たちの台所を紹介しながら人となりや暮らしを引き出していく。ぜんぜんキラキラしてない生活感あふれる写真がよかった。力をもらった。どんな人生だってありだしその人生の数だけ台所があった。2022/04/08
あのこ2nd
3
この本でスパムおむすびとホットケーキとパスタの茹で方と、たくましく楽しく生きることを学んだ。 処分しちゃった、また読みたい。 … まで書いてログインできなくなった前アカウントでも同じ感想書いてて、こりゃやっちまったと思った。 スマホも恐らく携帯電話も今ほど、インターネットすらそこまで広まっていない時代の、地に足の着いた、経験でしか得られない体感的な時代の「あの感じ」が懐かしくなったってことは、もう「あの感じ」はここにはないのだなぁ。 今2019を生きてる若者の同じ様な生活を垣間見る本が読んでみたい。無理か
kuukazoo
2
もうこの本のようなキッチンはとっくに卒業したような気もするけど、やはり自分もこんな感じから始まったし、読んでるとなつかしいような気持ちになる。昔は食べることに興味なかったけど、やはりいろんな人たちとの関わりの中で今の自分の食が作られてきたなぁと思う。2012/10/07
よしひさ
2
貧乏学生の頃、力をくれた一冊。