内容説明
井上民二はボルネオの熱帯雨林に大がかりな林冠研究システムをたちあげ、陸上の最後の秘境“地上40mの林冠”に暮らす多様な生物の相利共生関係の解明に、若手研究者とともに挑んでいた。しかし1997年9月6日、研究フィールドへむかう小型飛行機の墜落事故のため急逝。享年49歳。日本を代表する独創的生態学者の夢と情熱の軌跡をたどる。
目次
第1部 林冠生物学(熱帯林の環境変動と一斉開花;サラワク林冠生物学計画の展開 ほか)
第2部 生物多様性(生き物たちの織りなすナチュラル・ヒストリー;樹脂がひろげる生物の関係性 ほか)
第3部 ハナバチの生態学(ハリナシバチの巣分かれ;花を訪れるハチたちの暮らし―ハリナシバチとミツバチ ほか)
第4部 送粉共生系(花と昆虫の生態学;花をめぐるマルハナバチの種間関係 ほか)
著者等紹介
井上民二[イノウエタミジ]
1947年、兵庫県生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程中退。農学博士。生態学を専門とし、熱帯雨林を舞台にいとなまれる多様な生物の相利共生関係の解明にいどむ。元京都大学生態学研究センター教授。1997年9月6日、熱帯雨林の研究フィールドへむかう小型飛行機の墜落事故のため急逝。享年49歳
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