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信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う

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  • サイズ 新書判/ページ数 229p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784896919950
  • NDC分類 210.48
  • Cコード C0221

内容説明

足利将軍説、イエズス会説、秀吉説、家康説、本願寺説、朝廷説―次々に登場する信長殺しの「黒幕」たちに、事件関与の決定的な証拠はあるのか。

目次

プロローグ 「謀略説」はなぜ流行るのか?
第1部 本能寺の変は「謀略事件」だったのか?(良質史料で描く「信長の最期」;謀反の成否を分けた光秀の「機密保持」;事件前後の光秀の動向;本能寺の変はなぜ起きたのか?)
第2部 さまざまな「謀略説」を検証する(裏付けのない「足利義昭黒幕説」;雄大にして空疎な「イエズス会黒幕説」;誰でも「黒幕」にできる謀略説の数々;謀略説に共通する五つの特徴)
エピローグ 順逆史観から謀略史観へ

著者等紹介

鈴木眞哉[スズキマサヤ]
1936年横浜市生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。防衛庁、神奈川県等に勤務。在職中から「歴史常識」を問いなおす研究を続ける

藤本正行[フジモトマサユキ]
1948年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部史学科卒業。現在、株式会社彩陽代表取締役、國學院大学兼任講師。日本軍事史・風俗史専攻。軍事・絵画・城郭・甲冑武具研究を集合した独自の歴史研究を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

№9

17
当時の宣教師ルイス・フロイスが著したという「日本史」に登場する「光秀評」が、これまでの明智光秀のイメージとは違う面をとらえていて面白い。謀略説もそうだが、これまで言われてきた光秀像というのも案外、怪しいものかもしれない。それよりも一次資料から読み解く「本能寺の変」という歴史上の大事件は、光秀にそれを実行させるための偶発的な出来事の重なりと、それをピンポイントでとらえて見事に実行した光秀、そして光秀の天下取りを阻んだ秀吉の「中国大返し」、といったダイナミックなドラマをあぶりだして見せる。面白かった。2013/03/13

鐵太郎

6
「本能寺の変」について、明智光秀の行動についていろいろな説が唱えられ、陰謀好きの日本人がかつて多種多様の黒幕説を持ち出してきたことを列挙したうえ、それらを一刀両断します。そして明智光秀という人物像を浮き彫りにした上でその人となりを明確にし、さらにあの事件の瞬間の時代の流れを明確にして、黒幕・積み重ねられた陰謀がありえないことを証明しています。これは、面白い。ある意味痛快ですらある。2008/12/01

as

6
伊東潤氏の「王になろうとした男」の参考資料らしいので読みました。様々な説をデスってるお陰でストーリー構築に穴がないか、アイデアが他人とかぶってないか確認するには最適な資料と言えそうです。伊東氏の「光秀巻き込まれ型」も機密漏洩の観点からするとデスられそうですが・・。さて一般論として[あった事]より[なかった事]を証明する方が難しいそうですが、流石に四百年以上前の出来事ではお互いに無理がある感じがしますね。個人的にはこの案件を全て満たした新機軸の[本能寺の変]謀略小説も読みたい気がするのですがどうでしょうか。2014/06/01

majimakira

6
本能寺の変、種々の謀略説を真っ向から「めった切り」にする、全体としてはなかなか手厳しいトーンの著作ですが、ひとつひとつの説明は、史実や根拠史料を積み上げ、ただただ淡々と諸説の限界を示されている良質な解説の目白押しです。光秀の人物像の考察は中でももっとも興味深く、「順逆史観」に多少なりとも影響されているはずの自分自身の認識も、良質な史書に触れながら再度疑ってみないといけないと思わされています。2013/03/14

玉野ゆうき

3
明智光秀が誰かと”変”を企てる事は不可能だったと懇々と説いています。謀略説や黒幕説がいかに脆弱な根拠によって作られたか分り易く書かれている良書。 本能寺の変に興味のある方には一読を薦める。2019/05/09

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