おそめ - 伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生

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  • サイズ B6判/ページ数 366p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784896919844
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0023

出版社内容情報

はんなりとして、芯の強いひとりの京女がいた。夜の銀座をつくったおんなだった。銀座が銀座であった時代―。伝説のバーがあった。その名は「おそめ」。マダムは、元祇園の人気芸妓。各界の名士―白洲次郎、小津安二郎、川端康成、川口松太郎など―が夜な夜な集い、「夜の文壇」「夜の財界」「夜の政界」ともてはやされた。嫉妬うずまく夜の銀座で栄光を掴み、「空飛ぶマダム」とまで呼ばれたが、やがて大きな蹉跌が……。私生活では、仁侠映画で一世を風靡した映画プロデューサー・俊藤浩滋をひとりのおんなとして支え続けた恋女房だった。『夜の蝶』のモデルといわれる女(ひと)の数奇にして華麗な半生を徹底した取材で描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

125
銀座が銀座であった時代の伝説のバー「おそめ」のマダムの物語である。 巻頭のモノクロ写真の透明な 清楚な佇まいが 昭和の「夜の蝶」を彷彿させる。 京都から東京銀座へ、繁栄から没落へ…まるで 小説のような昭和の日々が 各界の名士とともに 蘇る。素朴で 清楚な 昭和の凛とした女性の物語だった。2021/07/26

ゆみねこ

32
ひたすらに、1人の男を愛し尽くした、「おそめ」こと、上羽秀。数々の文化人に愛された1人の女性の一代記をドキュメンタリーとして読ませてもらった。著者の真剣な取材ぶりに好感が持てた一書。モノクロの写真のおそめさんの美しさに圧倒される。2013/12/28

どんぐり

31
川口正太郎の短編小説『夜の蝶』のモデルで、京都と東京を飛行機に乗って往復し、夜の世界に名を轟かせた「空飛ぶマダム」と呼ばれた上羽秀(おそめ)の人生の軌跡を記したノンフィクション作品。新橋で芸者修行、祇園芸妓の頃に落籍され、その後、京都木屋町にバー「おそめ」を開店、昭和30年代には銀座に進出し、文人や映画人、財界人や政治家が常連客として押し寄せ、隆盛を極めた。その後の凋落、人生はまさにドラマである。おそめが惚れて、惚れ抜いた男、そして尽くし、尽くし抜いた任侠映画のプロデューサー俊藤浩滋。この男を描くことがで2014/06/19

いちろく

24
紹介していただいた本。『夜の蝶』のモデルと言われ、最盛期は「空飛ぶマダム」とも呼ばれた上羽秀を描いたノンフィクション。作中の記載通り、よく言えば無防備で正直な天衣無縫、悪く言えば人の気持ちや世間の眼に無配慮。だからこそ、多くの男性の庇護心に触れ、多くの女性から激しく嫉妬され敵視された点は、真実に近い印象を受けた。俊藤浩滋との関係も独特であり、互いの陰日向の様にも驚くと共に、シーソーの傾きのような栄枯盛衰を見ているよう。それが著者が描く、かって銀座に存在したバー「おそめ」のマダムに抱いた私の印象。2023/03/05

ラスカル

13
伝説の銀座マダム、「おそめ」の上羽秀の半生を描いたルポルタージュ。「夜の蝶」ということばは知っていたけどそのモデルとなった人だとか。表紙の写真を見て、その清楚な美しさにびっくりする。文人をはじめ著名人にかわいがられたというのも納得がいく。著者は何度も「風姿」ということばを使っているけど、内面、生き方が醸し出すたたずまいが美しい人だったのではないか。緻密な取材、まとまった読みやすい文章。他の本も読んでみたくなりました。2020/07/03

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