内容説明
「仲間」から出発すれば、掟が法に優先することがわかる!「社会」とは元々は「仲間」のことだ。「行動の次元の規範」として内面化される掟は「仲間の絆」の証だ。強い個別社会を内部に抱えるヨーロッパ諸国とは対照的に、仲間社会をつぶして近代化してきた日本では、国家が社会を吸収し、法と掟が癒着し、法でも掟でもない曖昧で流動的な「規範のようなもの」がはびこっている。
目次
第1部 日本人の規範感覚のどこがどうおかしいのか?(アウトローは法を軽視するか?いや、アウトローこそ法を重視する;アウトローが行く法の裏道は営業上の秘密である;コストパフォーマンスこそがアウトローが法律を測る基準なのだ ほか)
第2部 近代日本の法と掟は、どこがどう歪んでしまったのか?(法も掟も、どちらも社会規範である;掟は個別社会の規範、法は全体社会の規範である;法は国家を通じて制定される特殊な社会規範である ほか)
第3部 法と掟の彼方(近代国家が黄昏を迎えた;国家より大きな単位と小さな単位が重要な意味をもちはじめた;掟の世界が法の枠を超えて結びつく ほか)