内容説明
「一流」と「二流以下」を分けるものとは、いったい何なのか?常識にとらわれることなく、本物を見極め、本物になるためのすべてがここにある。世界初を追究し、世界一を目指す!
目次
第1章 ITと感性(現代生活にも研究にも不可欠なエレクトロニクス機器;五感による認識の限界 ほか)
第2章 一流の研究者に求められる資質と能力(一流、二流、三流;「一流」と「二流以下」を分けるもの ほか)
第3章 師弟関係の重要性(独創の系譜;理想的教育の場:私塾 ほか)
第4章 評価の評価(「結果の平等」と「機会の平等」;「平等」はあり得るか ほか)
著者等紹介
志村史夫[シムラフミオ]
静岡理工科大学教授。ノースカロライナ州立大学併任教授。応用物理学会フェロー。日本文藝家協会会員。1948年、東京・駒込生まれ。名古屋工業大学大学院修士課程修了(無機材料工学)。名古屋大学工学博士(応用物理)。日本電気中央研究所、モンサント・セントルイス研究所、ノースカロライナ州立大学を経て、現職。日本とアメリカで長らく半導体結晶の研究に従事したが、現在は古代文明、自然哲学、基礎物理学、生物機能などに興味を拡げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ろくせい@やまもとかねよし
16
大学教員である著者の経験から、研究者としてのあり方を考察する。特に「研究」の正確な理解が必要だと説く印象。工学・医学・経済学・商学である「実学」と文学・哲学である「虚学」の違い。自然現象を対象に知的好奇心を満たす「科学」と具体的な成果や物を生み出す手段や技能の「技術」との違い。新しい事実や知識の追加や改定を発見する「研究」と、対象とする事案について適応範囲をより拡張する「開発」との違い。少なくとも世間で多用する「科学技術」や「研究開発」は一語としては意味を取りにくい言葉なのだと。2014/12/05
のぶのぶ
10
夏に著者の講演を聞き、著書を購入してみました。前半は、講演会の復習ができ、後半は、青色LEDや小保方さんのことまであり、興味深く読みました。感性の大事さを改めて感じた。面白いと思わないとダメですね。人と違うことはなかなか認められませんが、二番煎じでは、ダメですね。一流の研究者を育てることと今の日本を支える人を育てるには、ベクトルが真逆ですが、そういう人を育てないといけないですね。今の仕事にいかしていきたい。2014/12/20
香菜子(かなこ・Kanako)
6
ノースカロライナ州立大学や静岡理工科大学の教授を務められた志村史夫先生の自伝的な本。志村先生が一流の研究者であることは本書でよく理解できましたが、具体的に一流の研究者に求められる資質は何なのかという問いに対する回答はなかったかな。でも、志村先生自身の経験談やエピソードは参考になるところがありました。 2017/07/18
teddy11015544
5
一流の研究者になるためには感性が大事。運を味方にすること、師弟関係も重要。とくればすべての一流の○○○に通じるものは同じである、という結論になるね。研究者の話が、芸術家や囲碁の世界を参照して語られている、ということは普遍的な真実は根っこが同じだということなのでしょう。つまり一流の人は、ある意味で知らずして哲学者にもなっている、ということなのですね。2014/09/14
km
3
修士から博士にすすまず企業研究者となり渡米、日本の大学教授とグローバル・産学にまたがって活躍してきた著者。研究者の資質として感性を大事に日頃から様々なことに疑問をもてるようにしたい。そったくどうじは師弟・親子関係にも響く言葉だなあとメモした。またあとがきにあるように、恩や義を大事にしていきたいと改めて思った。2016/10/02