出版社内容情報
CUPSは、UnixとUnix系OS向けの印刷システムです。この印刷システムによって、ファイルをほぼすべてのプリンタで印刷できるようになります。長年にわたり、Unixは印刷に関する問題を抱えていました。マイクロソフトのWindowsやMacOSと異なり、Unixはプリンタをサポートするための適切な標準インタフェースやシステムを持ちませんでした。現在利用できる解決策としては、BerkeleyおよびSystemVの印刷システムが最も有力なものでしょう。これらの印刷システムは、ラインプリンタ(テキストのみを扱う)またはPostScriptプリンタ(テキストとグラフィックを扱う)をサポートしています。また、うまく扱えば、すべてのプリンタ、すべてのファイル形式をサポートできます。しかし、異なるUnixプラットフォームでは、異なる印刷システムを利用しているため、多種多様なプリンタやOSを同時にサポートするプリンタドライバの開発は極めて困難です。それに加えて、各Unixプラットフォームの顧客はそれほど多くないことから、ほとんどのプリンタメーカーはUnixのサポートをあきらめざるを得ない状況でした。CUPSは、この問題を解決するよう設計されています。一つの共通印刷システムですべてのUnixプラットフォームとユーザの要求をサポートできます。フィルタのインタフェースがモジュール化されているので、プリンタメーカーは、様々なファイル形式をサポートする単一のプリンタドライバをわずかな努力で開発できます。CUPSは、SystemV形式、Berkeley形式の両方のコマンドを提供しているので、ユーザとアプリケーションは差異を感じることなく利益を享受できます。1999年に最初のリリースして以来、CUPSは多くのLinux配布に採用されており、いくつかのプリンタメーカーがCUPSをベースとしたLinux向けプリンタドライバを提供しています。
内容説明
本書は、Unix/Linuxの印刷システムであるCUPS(Common UNIX Printing System)の基本的な事項を解説したものである。
目次
第1章 CUPSの概要
第2章 CUPSの構築とインストール
第3章 プリンタとプリンタクラスの設定
第4章 CUPSを利用した印刷
第5章 サーバの構成
第6章 クライアントの構成
付録A 構成ファイルの指定
付録B CUPSライセンス許諾書
付録C 日本語環境での使用について