Professional computing series
人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (新装版)

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  • サイズ A5判/ページ数 321p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784894716650
  • NDC分類 007.64
  • Cコード C3004

出版社内容情報

IBMの大型コンピュータのオペレーティングシステムOS/360の開発チームを率いた著者が、プロジェクトを通して発生した問題点を詳細に分析している。原著刊行は1975年であるが、大規模ソフトウェアを開発におけるソフトウェア工学の古典となった。本書は原著刊行20周年を記念して発行された増訂版である。原著刊行時に話題となり、肯定的なもの否定的なものなど、さまざなま議論が発せられた。著者は、それらに答えて、1986年に"NoSilverBullet"という「ソフトウェアの生産において、特効薬となりうる技法は存在しない」と言う有名な論文を書いた。本書は、これら原著刊行以降の著者の代表的な論文4編を収録し、いろいろな議論に対しての著者の見解を述べている。著者は、これらの業績--Forlandmarkcontributionstocomputerarchitecture,operatingsystems,andsoftwareengineering.--で、1999年度のACM/A.M.TuringAwardを受賞。

内容説明

本書は、プログラム開発の管理がなぜたいへんなのか、という疑問に答えようとするものである。プロのプログラマや管理職、特にプログラマの管理職を対象にしている。増訂版では、最近の考えを補足した。アメリカ計算機学会のACM/A.M.Turing賞受賞。

目次

タールの沼
人月の神話
外科手術チーム
貴族政治、民主政治、そしてシステムデザイン
セカンドシステム症候群
命令を伝える
バベルの塔は、なぜ失敗に終わったか
予告宣言する
五ポンド袋に詰め込んだ十ポンド
文書の前提
一つは捨石にするつもりで
切れ味のいい道具
全体と部分
破局を生み出すこと
もう一つの顔
銀の弾などない―本質と偶有
「銀の弾などない」再発射
「人月の神話」の命題―真か偽か
「人月の神話」から二十年を経て
五十年間の不思議、興奮、それに喜び

著者等紹介

ブルックス,フレデリック・P.[ブルックス,フレデリックP.][Brooks,Jr.,Frederick Phillips]
1931生まれ。Dyke大学で物理学を専攻し首席で卒業、Harvard大学でPh.Dを取得。IBMに在籍中にSystem/360の開発を担当(1956‐1965年)。その後、North Carolina大学でコンピュータ学科を創設し学部長を勤めた(1964‐1984年)。現在はコンピュータグラフィックスやヒューマンインタラクション等の研究を続けている。1993年にIEEEのJohn Von Neumann Medalを受賞、また1999年には『人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない』の業績によって、アメリカ計算機学会のACM/A.M.Turing賞を受賞など、数々の栄誉を得ている

滝沢徹[タキザワトオル]
1976年早稲田大学理工学部数学科卒業

牧野祐子[マキノサチコ]
1986年国際基督教大学教養学部語学学科卒業

富沢昇[トミザワノボル]
1978年早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻博士課程前期修了
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kochi

13
IBMでの歴史的大プロジェクトを指揮した経験から大規模システム開発の運営やソフトウェア生産性に関する考察をまとめた名著の20周年版。その出版自体、25年前の話であるが、今なお有効と思われる数多くの示唆に溢れていると思う。そしてタイトルと副題のセンスの良さにも脱帽。副題に「狼人間を撃つ弾はない」とある本をソフトウェアエンジニアリングの考察の本と誰が思うだろうか? プログラミングの楽しみを解くところから論を始め、ハインラインの小説を引用し、大規模ソフト開発のタールの沼の厄介さが続く事を予言する。スマートだ。2021/12/23

こもも

9
人月は人と月が置き換え可能になっている。5人月の場合、1人だと5か月かかるところ、5人だと1か月と計算できるが、単純にそうはならない。人員を追加すると、再配置そのものにかかる労力、新しい人員に対する教育、増えた分だけのコミュニケーションコストがかかる。遅れが出ているプロジェクトに人員を追加しても、更に遅らせるだけである。(ブルックスの法則) 他、セカンドシステム症候群の話や、コンセプトの完全性について等、成程と思える内容が満載だった。18章に全章の概要がサラっと書いてあって、最初に読んでおけば良かった…。2021/03/02

よく読む

7
ソフトウェア開発の古典。人と月は交換可能ではないし、ソフトウェア開発を大きく効率化する銀の弾もない。Amazon社の必読本ということで手に取った。IBM360を作成していた人であり、75年に本書は書かれた。シューマッハーの本も読むようにとの記載あり。2017/04/10

majiro

7
人月の神話の考え方も、ドレイファスモデルも、つまるところ人の動かし方を一般化したものなのだとすれば、ソフトウェア開発しかり、看護チームしかり、人の様々な行いに適用できる。なるほどなー。2015/03/07

富士さん

6
著者が禁欲的なのか、一般化せず、あくまでもコンピューターソフト業界に即して書かれているため、専門用語がまったく分からず、例に直感的に共感も出来ないので極めて難解で、通読をあきらめました。でも、モジュール化できないソフト業界などは、頭数を増やせば比例して生産量も上がるという「人月の神話」は成り立たないという考えは、建築でも製造でもソフト的部分はあるのでどこでも通じる一般性があると思います。人月に代わって、ソフト業界で生産性を計算可能な形で上げる方法はないという「銀の弾はない」かどうかは、私にはわかりません。2019/08/16

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