内容説明
死と狂気に魅入られたものたちを襲う妄執、幻視、邪恋、官能、裏切り、迷信…。あなたを、現実と妄想の狭間から生み出される恐怖の世界へといざなう、女流ホラーの饗宴。
著者等紹介
結城信孝[ユウキノブタカ]
東京生まれ。立教大学経済学部卒業。ベースボールマガシン社、内外タイムス社の記者を経て、90年以降フリーに。各紙誌上にて評論活動を続ける
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジンベエ親分
36
篠田節子、加門七海、竹河聖、小池真理子、森真沙子、皆川博子、坂東眞砂子という豪華ラインアップのホラーアンソロジー。篠田節子の「コンクリートの巣」、小池真理子の「夏祭り」、坂東眞砂子の「正月女」の3本がお気に入り。特に「正月女」はこりゃもうたまらん(笑) このじとーっと絡みつくような湿り気のある空気感と土俗ネタのホラーって、ほんとこの人の独壇場。作中の方言は多分高知弁だと思うのだが、本来明るくカラッとした気質を連想するはずの高知弁が、なぜこんなに不気味に脳内再生されるのだ。今夜はふるえて眠る(笑)2017/12/10
Yu。
10
心理面を揺さぶる7つの物語。本作は特に好きな作品多いぞ!まず、羽根を切られたインコと飼い主である少女とが被さって見える、リアルに重いテーマが容赦なく迫る『コンクリートの巣』。そりゃ 夏祭りがトラウマになるよ!もうスリリングな『夏祭り』。永井荷風と、彼が住んだ偏奇舘を巡る老女の想い、そして幻想的な顛末が心を打つ『偏奇舘幻影』。再び出会った2人。当時を懐かしむ反面、時代背景による苦い思い出も掘り起こされていく心情ドラマが絶品『トマト・ゲーム』。女は怖い!最高級の土俗ホラー『正月女』。と、傑作ばかりな一冊!2014/08/10
そのぼん
9
心理的に恐いホラーアンソロジーでした。エロチックな描写のある作品もいくつかありました。小池真理子の『夏祭り』が一番印象に残りました。2012/06/28
sasami
1
正月女と夏祭りが怖かったです。 夏祭りは身近に実際に起こっていても おかしくない気がします(目撃した内容は様々ですが)2018/10/16
ふじもち
1
本当にふるえて眠れそうなのは、坂東眞砂子の「正月女」だけだった。2013/02/19