出版社内容情報
江戸松坂屋の隠居松六は、手代政次を従えた年始回りの帰途、剣客に襲われる。襲撃時、松六が漏らした「あの日から十四年……亡霊が未だ現れる」という言葉に、かつて幕閣を揺るがせた若年寄田沼意知暗殺事件の影を見た金座裏の宗五郎親分は、現在と過去を結ぶ謎の解明に乗り出した。一方、負傷した松六への責任を感じた政次も、ひとり行動を開始するのだが――。鎌倉河岸を舞台とした事件の数々を通じて描く、好評シリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rokoroko
14
再読。先月の終わりに読んだのがこのシリーズ最終巻だから違和感半端ない。政次が金座裏にも住んでない。シリーズ進むと性格も分けられ落ち着いて読めるけどまだ初期と言う印象。そうかこんなお話だったのね2022/08/01
藤枝梅安
8
メインのストーリー展開の間に複数の事件が起こり、それらを探索・解決していくなかで、 メインの事件の手がかりが浮かんでくるという重層的な構成をとっている。 この巻では日本橋の呉服屋・松坂屋の手代・政次が店の隠居・松六の年始回りの供をするところからストーリーが始まる。 十四年前の事件は表向き解決されたと思われていたのだが、実は火種が残っていた。 何者かに襲われ、怪我をした隠居。責任を感じた政次は町方の探索と並行し、単独で謎解きを始める。2010/07/13
天笑院たか姫
7
シリーズ第二弾!江戸松坂屋の隠居松六は、手代政次を共に年始回りの帰途刺客に襲われる。刺客は、田沼意知暗殺事件に絡んだ者たちだった。 政次はとうとう松坂屋に暇を出されて、金座裏の宗五郎親分のもとで働くことになる。粋な計らいだったのだろうか?政次の本心が知りたい。 2016/08/27
オレンジ。
7
「鎌倉河岸捕り物控え」の<二の巻>。今は同じく佐伯さんの「交代寄合寄合伊那衆」を読書中だけど、「密命」に移る前に戻ってみた。でも多分はまらないと見たので、これは終わろうと思う。2015/05/19
八子@ちょっと復活
7
連作短編だけど、一つの大きな謎が全体に流れていて飽きない。今回は田沼意知殺害事件、と何やら大事になっていた。しかし田沼意次がえらく悪く書かれていて驚いた。賄賂政治だったけども、経済の面から見たら敏腕なんじゃないの……?それはともかく、政次の人生が大きく変わり、これからが気になる2012/09/06