ハルキ文庫
ニジンスキーの手

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  • サイズ 文庫判/ページ数 300p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784894568150
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

〈ニジンスキーの再来〉とパリの有力紙に絶賛された舞踊家・弓村高。彼とニジンスキーの間には、奇妙な一致があった。二十三歳。春。パリで。短い舞踊詩。処女作……。成功を収めた後、盗作とスパイ容疑をかけられた高が帰国した時、彼に執拗に質問をした若い新聞記者が殺された──。果たして高と関係があるのか!?表題作のほか、「獣林寺妖変」「禽獣の門」「殺し蜜狂い蜜」「恋怨に候て」の耽美幽玄の世界を描く傑作五篇を収録した珠玉の一冊。(解説・葛西聖司)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

26
「獣林寺妖変」と「禽獣の門」は既読であり、デビュー作「ニジンスキーの手」を読みたくて手に取る。デビュー作には作家のすべてがある、とよく言われるが、「ニジンスキーの手」には赤江瀑の個性が確かにすでにある。舞踏や獣性もそうだが、ここにははっきりと分身という主題が窺える。しかし同じ分身テーマであれば、「殺し蜜狂い蜜」がより印象に強く残る。(つづく)2020/07/04

メイ&まー

11
ニジンスキーの手に捉えられたかのような、弓村高の運命。でも結局、誰が狂っていて、誰が誰に絡め取られていたのか…。そんな表題作を筆頭に、やはり追いつ追われつ、愛憎が混濁してしまった関係ばかり描く短編集。毒気と甘美な蜜の匂いに酔わされっぱなしでした。好きなのは、獣林寺妖変、殺し蜜狂い蜜。印象ぶかいのはミステリアスな恋怨に候て。誰の恋怨なのだろう。2014/01/03

東雲

8
初、赤江瀑作品。歌舞伎、能、バレエと舞台の世界を扱った短篇集。表題作はミステリ部分があったにも関わらず登場人物がアッサリその謎を言っちゃっててあら、いいのかな?と思った。禽獣の門が特に好み。ひとりの青年が、またその青年の背中に宿った鶴が、幸せな若い夫婦を狂わせる。春睦とその従者雪政との関係が最高。物語にスパイスを加える京都弁が非常に粋で淫靡。2017/10/30

MIRACLE

2
本書は講談社文庫の『獣林寺妖変』に「恋怨に候て」を加えた内容になっている。未読の「恋怨に候て」のみ読む。「恋怨」は1975年の発表で、他の収録作と4年の隔たりがある。「恋怨」は主人公の独白を前後にはさんで、鶴屋南北の静かな狂気を描いた作品だ。しかし前後の独白があるせいで、主題の迫力をぼやけてしまったのが残念だ。なおハルキ文庫の解説は、NHKアナウンサーの葛西聖司。2011/03/20

APOM

1
お気に入りは「禽獣の門」!最後の<お心置きのう>の一言が効くなー。「恋怨に候て」もすごくよかった。江戸言葉がすてき。ラストが好き。デビュー作「ニジンスキーの手」もミステリー的にはもうひとひねり欲しいが、世界観・題材はとても好み。2010/06/23

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